矢板物語

豊かな自然を背景に歴史と伝統が育まれた。市制施行と並行して農工商が足並みをそろえ、特に先端企業がけん引役となり、市民一人ひとりが本当の
豊かさを実感できる街づくりが進む。「住みたい街」「住み続けたい街」を目指し市民と行政が一体となって21世紀も着実に歩み続ける。

見る

 ①木幡神社は、791(延暦10)年、坂上田村麻呂が戦勝祈願し、蝦夷討伐の戦功により、帰路に許波多神社を勧請したと伝えられる。中世には塩谷氏の氏神として崇拝され、江戸時代には御朱印地200石を寄進された。本殿・楼門は室町中期の建造物で国指定文化財。②八方ヶ原は、市北西部約20キロの高原山中腹に広がる台地。6月には20万株といわれるレンゲツツジが鮮やか。歩く楽しさを満喫できるハイキングコースが整備されている。山の駅たかはらは、交流促進のための拠点施設として整備されていて、高原山の自然に触れるイベントも実施している。③川崎城跡公園は、約800年前、塩谷地方を領有していた塩谷氏の5代朝義が、宇都宮業綱の次男朝業を後継者に迎え築城した川崎城の跡地を整備した公園。空堀や土塁、本丸や二の丸など昔をしのばせる史跡が随所に残る。二の丸には梅の林、展望台があり、景観がすばらしい。

木幡神社

木幡神社

八方ヶ原

八方ヶ原

川崎城跡公園

川崎城跡公園

学ぶ

 ①矢板武記念館は、明治期に「那須野が原開拓」など矢板を軸に県北地域に多大な功績を残した郷土の偉人矢板武の旧宅。市の発展と当時の人々の暮らしぶりを実感できるよう市が記念館として整備・開館した。市指定の有形文化財。裏庭のシダレザクラは、迫力ある花付きや流麗な樹形を誇る。②山縣有朋記念館は、幕末から明治・大正にかけて活躍した軍人・政治家の山縣有朋が、小田原の古稀庵内で別荘としていた建物。大正時代に山縣有朋の長男伊三郎氏によって矢板市に移築された。1909(明治42)年、伊東忠太の設計によって建設された。③道の駅やいたは矢板那須線矢板バイパスと国道461号の交差点付近に位置する。農産物直売所「旬鮮やいた」、農村レストラン「つつじ亭」、道の駅では唯一の「エコモデルハウス」などがある。道の駅の持つ休憩や情報発信などの機能のほか、食・建物・エネルギーの地産地消が体験できる。

矢板武記念館

矢板武記念館

山縣有朋記念館

山縣有朋記念館

道の駅やいた

道の駅やいた

 県の北東部に位置し、県都宇都宮市まで約30キロ、東京都までおよそ140キロに位置する。北部に、八方ヶ原や県民の森など日光国立公園の一角の高原山をメーンに緑に恵まれる。1889(明治22)年、市町村制実施により矢板村と泉村、片岡村が誕生、1895(明治28)年、矢板村は町制を施行。1955(昭和30)年、矢

高原連山

高原連山

板町、泉村、片岡村は合併して矢板町を設置、1958(昭和33)年、市制を施き矢板市となる。国道4号と東北自動車道が南北に縦断、国道461号が横断、JR宇都宮線の片岡、矢板駅を持つなど県北交通の要衝。シャープなどの大手企業が立地、矢板南産業団地の企業誘致を進めるほか、大型商業施設も出店するなど農工商調和の取れた市となっている。

遊ぶ

 ①長峰公園は、ツツジの名所として名高く、公園内に大きな桜並木とツツジの庭園が広がって、市民の憩いの場所となっている。特に、桜やツツジの開花時期である4月から5月上旬にかけては、ライトアップもされ、見事な花々を見ることができる。②県民の森は、県民が緑豊かな自然とのふれあいを楽しむために、1974(昭和49)年に設置された。973ヘクタールあり、野鳥や植物の種類が多く、自然観察に適しているとともに、森林浴やハイキングに絶好なフィールドとなっている。③城の湯温泉は、宮川のほとりに湧く、矢板市自慢の温泉。2つの建物からなり、1号館は長方形と扇状の大浴槽があり、また露天風呂では四季おりおりの風景を楽しめる。2号館にはサウナ、寝湯、超音波風呂、大浴場が備わり、好みの入浴が楽しめる。八方个原に通じる県道沿いには赤滝、小滝、寺山の3つの鉱泉があり、湯治客に根強い人気をもっている。

長峰公園

長峰公園

県民の森

県民の森

城の湯温泉

城の湯温泉

食べる

 ①リンゴは、長井地区を中心に栽培され県一の生産量を誇る。矢板のリンゴの一番の特徴は、完熟してから出荷するので、リンゴ本来の甘味、酸味、固さを持ち合わせ、総合的な味のバランスは自然そのものだ。また、農家ごとに味の違う「完熟リンゴジュース」も人気の一品。②矢板たかはら米は、滋養分たっぷりの高原山の伏流水で育てた100%矢板生まれのコシヒカリ。環境保全型農業に取り組む認定農業者(エコファーマー)が丹精込めて栽培したものだ。2つの酒蔵がある③地酒は、高原山の伏流水など豊かな自然が生み出す。どちらもやわらかな口当たりで、飲むほどにまろやかな旨味がジワリと広がってくる。金精川のます池では釣りたてのマスを味わえる。農村レストランともなりそば処信生庵は、地粉を使った手打ちそばが人気だ。チーズのアウトレットとして注目を集めているのがチーズファクトリー。各種のチーズを楽しめる。

リンゴ

リンゴ

矢板たかはら米

矢板たかはら米

地酒

地酒

ふるさと散歩

【歴史】寺山観音寺
 矢板市の高原山中腹にある真言宗智山派の寺院。御本尊は千手観世音菩薩で、下野三十三観音霊場の中の第七番札所に当たる。
 御本尊の木造千手観音像は、寄木造木彫の仏像。秘仏で60年に一度しか開帳されない。木造毘沙門天立像、木造不動明王立像とともに、国の重要文化財に指定

道の駅やいた

されている。また、境内にある樹齢約350年のイチョウは、栃木県指定天然記念物となっている。
 近くに湧く寺山鉱泉は、寺の霊泉として開かれたといわれる。時間がたつと茶褐色になる特徴がある。

わが街自慢の逸品

カレー
 特産のリンゴを使ったカレーで「カレーの街・やいた」として売り出している。リンゴの持つ酸味と甘みがカレーの辛さにマッチして味にコクが出るという。市商工会の依頼を受けて矢板高校が地産地消を基本に2008年に作ったあっぷるカレーが基本で、市内のレストランや食堂、山の駅たかはらなど8店舗でそれぞれアレンジしたカレーを提供する。そのほか市内30店舗ではレトルトの「あっぷるカレー」を購入できる。

カレー

矢板ものしり百科

●やいた歳時記
2月下旬 ともなり文芸まつり
5月 つつじまつり
8月 高原山トライアスロン ふるさとまつりin長峰
10月第2日曜 木幡神社例大祭
11月3日 市民の日・ともなりまつり
11月3日第2日曜 たかはらマラソン大会
●黒曜石
 縄文時代の遺跡から矢じりとして出土することが多い天然ガラス質の石。高原山で産出されたものが南関東地方を中心に広範囲に流通していたことが解明され、高原山黒曜石原産地遺跡群と名づけられ、注目を集める。
●塩谷朝業
 初代川崎城主で文武両道に優れ、 鎌倉幕府3代将軍源実朝の側近として活躍。歌人としても、「信生法師集」などの作品を残す。その偉業をたたえ、「ともなり文芸まつり」「ともなりまつり」として、受け継いでいる。
●青空二号
 市内で薬局を営んでいた小堀鈴子さん宅の一部を改装して始まった駄菓子屋。子どもの小遣いで買える駄菓子が並び、人気。
●矢板市出身の著名人・縁の人物
 荒井英一(作曲家=あゝ上野駅)/渡辺勇次郎(ボクシング)/小川三夫(宮大工)/柿沼康二(書家)/青木たかお(漫画家)


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