高根沢町長インタビュー 高橋 克法 町長

循環型のまちを推進

高根沢町は循環型のまちづくりに向けて、さまざまな取り組みを進めてきた。時代を先取りした事例も少なくない。目立った歴史、自然遺産はないが、“ないものねだり”から“あるもの探し”の精神で、心がふれ合うまちへ着実な歩みを続けている。

昔からの水田地帯水に恵まれ企業も進出
■町の特長、概要をご説明いただけますか。
高橋克法町長
高橋克法町長

 目立った歴史、自然遺産はなく、昔からの水田地帯で一生懸命米を作ってきた土地柄です。交通の便がよく水も豊富なことから、近年は大きな企業が立地し、かつて8割を占めた農業人口は今は3割を切りました。子どもたちの数も他の自治体に比べると多いのです。人口の男女比でも男性のほうが多く、これも企業の進出の結果だろうと思います。このほか、「情報の森とちぎ」や「御料牧場」などもあります。

米の石蔵を活用した「ちょっ蔵広場」が人気
■町で自慢できるものを挙げていただけますか。

 平成20年、JR宝積寺駅東口に「ちょっ蔵広場」がオープンしました。この周辺には米を保管する石蔵が残っていて、駅前整備に伴って解体される予定でした。町の歴史を体現する建物を残せないかと検討していたところ、世界的な建築家、隈研吾氏に石蔵を活用した設計をしていただけることになりました。そうしてできたのが「ちょっ蔵広場」と宝積寺の駅舎です。近くの商工会館も意匠を統一するため設計コンペの審査員を隈氏にお願いしました。これらはいろいろな賞を受賞し、映画やポスターの撮影などにも使われています。「ちょっ蔵ホール」は、音楽好きの高校生など年間1000以上のグループに利用されています。

進むリサイクル活動、地産地消も浸透
■ほかにありますか。
高根沢町庁舎
高根沢町庁舎

 循環型のまちづくりですね。平成12年に「土づくりセンター」を完成させ、畜産糞尿ともみ殻、生ごみで年間2000トンの堆肥を作っています。生産が追いつかない状況です。生ごみを出さない努力もしていて、町民1人当たりの1日平均排出量は約380グラム。県内ではトップクラスの少ない量です。町内から出た生ごみを土にして農地に返し、それで作った農作物を町民が食べる地産地消につながっています。「BDF(バイオディーゼル燃料)」は、使用済みのてんぷら油を家庭や企業、学校給食センターから回収して、ディーゼルエンジンの燃料に再利用するものです。栃木県内では最初の取り組みでした。学校給食の配送車に使っています。「さらピカ君」は軽トラに積載できる食器洗浄ユニットです。イベントなどで割りばしや発泡スチロール容器などのごみを出さないよう、食器を洗って使い回します。県内では1台だけです。
 「地産地消」に関しては、直売所を一歩進めて「のうさん物直売屋」を始めました。農産物を販売できる農家を募り、マップや統一看板を作って、軒先で買えるようにしました。農業者と非農業者のふれ合いが深まっています。また、地産地消の原点は学校給食だと思いますが、本町の学校給食の取り組みは、「とちぎ地産地消夢大賞」や「農水省の生産局長賞」、「文部科学大臣賞」などを受賞しました。

あるもの探しを徹底行政もスリム化
■中長期的な施策を語っていただくとすると。

 まず「安心して暮らせる地域社会をつくる、持続的に成長できる仕組みをつくる」ことを目指しています。この際、「手間、暇かけたまちづくり」を掲げました。効率性だけではうまくいかないことが必ずあります。もう1つは「“ないものねだり”から“あるもの探し”へ」です。「農」を基本に、足元のよいものを探そうということです。もちろん行政としては、やれることは徹底してやっていきます。毎年、少しずつ職員を減らしてきて、12年間で50人弱の削減が実現しました。また、平成14年にいち早く行政評価システムを導入して、税金が適正に使われているか常時チェックしてきました。

■町民、県民を元気にするために何かお考えはありますか。

 これからは〝オール栃木〟の考え方に立つ必要があります。オール栃木を突き詰めていくと“オールジャパン”になります。その中で高根沢町ができることを考えていきたいと思います。

■企業の振興策についてはどのような施策をお持ちですか。

 残念なことにキリンビールが撤退しましたが、企業に対する直接的な支援の面では、小さな町ができることには限度があります。ただ、企業活動を支える安定した家庭や地域をつくることならできます。保育園の待機児童をゼロにする、子どもたちの医療について心配のない体制をつくる、教育環境の整備などです。食べ物によっても良い発想や技術が生まれるかもしれません。また、中小企業については、小規模、零細企業の現状を、光り輝く中小企業へと転換させるために「中小企業振興基本条例」の制定を検討しています。

切手でバードウォッチング

ハヤブサ(1994年発行 ポルトガル)
 「鷹狩り」と言えば、日本ではオオタカやクマタカが使われてきましたが、海外ではハヤブサの仲間を使うようです。
 以前、中近東のベドウィン族がチョウゲンボウ(小型のハヤブサ)を飼い馴らして鷹狩りを行う姿をドキュメンタリー

ハヤブサ

番組で見たことがあります。森林の少ない地域では、オオタカよりも飛翔スピードに勝るハヤブサの方が有利なのかもしれません。
 鷹狩りの様子をデザインした切手は少ないのですが、1994(平成6)年にポルトガルからハヤブサを使った鷹狩りの様子をデザインした4枚組の切手が発行されています。


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