矢板市長インタビュー 遠藤 忠市 市長

合言葉は「市民力」

八方ヶ原や長峰公園など「つつじの郷」として知られる矢板市。清流や県民の森もあり、四季の変化に富んだ自然に囲まれた穏やかな土地柄だ。生きがいを持って暮らせるまちに向けて、「市民力」を結集し、市民が自らプラン策定にも参加する。

八方ヶ原に広がるツツジの群生
■市の概要をお聞かせください。
遠藤忠市市長

遠藤忠市市長

 栃木県の北東部にあり、市の北側は、那須塩原市、東側は大田原市とさくら市、南側はさくら市、西側は塩谷町に接しています。北部に八方ヶ原など日光国立公園の一部、県民の森などの高原山が広がります。河川は北部の山岳地帯から流れ出し、箒川、内川、荒川などの河川として南で合流し、さらに那珂川に合流します。四季の変化に富んだ豊かな自然に恵まれています。

■自慢にしたいものを選んでいただくとすれば何でしょうか。

 鎌倉時代、矢板市を見下ろせる絶好の立地に築城されていたのが川崎城です。初代城主の塩しおのやともなり谷朝業は、文武両道に優れた御家人でした。現在、川崎城跡公園は「市民力を結集し、川崎城跡公園に新たな光を」をテーマに、市民と行政が一体となり、魅力ある公園づくりに取り組んでいます。
 また、秋に開催される市民有志による「やいた花火大会」は、1万5000発を超える規模です。
 さらに、高原山の東中腹に広がる八方ヶ原では、5月下旬から6月中旬にかけて、約20万株のレンゲツツの群生が辺りを朱色に染めます。ほかにも、アカヤシオやヤマツツジ、トウゴクミツバツツジなど種類も多く、たくさんの人でにぎわいます。JR矢板駅の北東にある長峰公園では、4月下旬から5月中旬に約3000株のヤマツツジなど、約5000株のツツジが咲き誇ります。公園内のシンボルタワーからは、ツツジの花を見下ろしながら、高原山、日光連山を遠望できます。

住民自らが元気プランづくり
■今、まちづくりで特に力を入れていることを教えていただけますか。

 「地域コミュニティ推進事業」です。都市化が進み、地域社会のつながりが希薄化し、相互扶助の機能が低下しつつあります。さらに、少子高齢化・人口減少など社会情勢の変化に伴って、高齢者や子育て家族に対する支援、環境保全、防災・防犯など、住民の生活に直結するさまざまな課題も発生しています。市民と行政との協働はもとより、地域内での人と人との支え合いや、助け合いが必要不可欠です。協力し助け合いながら、地域自らの手で解決していくという住民自治の実践が求められているため、「地域コミュニティ元気プラン」を市民の手により策定して、各地域の活性化プランに基づいて活動を展開していきます。

新総合計画で安心なまちづくり
■今後、中長期的にどのような施策に取り組んでいく予定でしょうか。
矢板市庁舎

矢板市庁舎

 平成23年度からスタートする新しい総合計画では、『「人」いきいき 「水・風・緑」きらきら 「暮らし」のびのび つつじの郷やいた』を市の将来像に掲げ、安心して暮らせるまち、住んで良かったなと思えるまちの構築を目指します。「子どもたちを安心して産み育てられること」「働く場所・住む場所が十分に確保されていること」、そして「いつまでも生きがいを持って暮らせること」が特に重要です。次期総合計画では、「市民主体のまちづくり」「次世代を担う人づくり」「安心して暮らせるまちづくり」「生活の便利なまちづくり」「産業の活発なまちづくり」の5つを柱としました。特に、本市の地理的特性や交通機関の活用、ブランド力強化などによる産業の活性化、片岡駅周辺開発など市街化整備を進め、新たに医療費の助成事業や、定住希望者に対する支援事業などにも取り組んでいきます。

■工業振興の支援でお考えになっているようなことはありますか。

 地場で今、根を生やして事業をしている企業を側面からサポートしていきたいと思います。地場の企業が発展をしていけば、雇用も生まれ、税収も伸びてまちも活性化してくるはずです。

人口減少時代に子育て支援策で対応
■今後、どこでも人口減少が課題になると思いますが。

 日本全体が人口減少社会に入っていますから、足利市だけが増えるという訳にはなかなかいきません。いかに歯止めをかけていけるかということですね。足利市では、昨年度から子宮頸がん予防ワクチンとヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンの全額助成を開始し、こども医療費助成の対象も小学校3年生までだったものを一気に6学年上げて、中学3年生までにしました。また、今年度からは不妊治療費の助成額を5万円から20万円に引き上げるというように子育て関連の施策を充実させています。これからも、市民への感謝という原点に立ち返って、市民一人一人がいきいきと輝く、活力に満ちた「文教医療福祉都市」を目指したまちづくりを進めてまいります。


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