芳賀物語

自動車などの基幹企業の先端産業が立地する工業団地。農業も米に加えて果樹、野菜類の施設園芸、畜産と都市近郊型農業に進化する。また、天才画家青木繁と町出身の恋人・福田たねとのロマンの碑が建つ。やすらぎと豊かさに満ちたまちづくりに向けて行政と町民が一体となって協働作業が続く。

見る

 五行川沿いには明治の天才画家青木繁と町出身の恋人・福田たねとの①ロマンの碑が建つ。青木が東高橋の福田の実家に滞在した間に傑作「わだつみのいろこの宮」を完成させた。碑は県立美術館が開催した「青木繁・福田たねロマン展」を契機に1974(昭和49)年に建立された。周囲はミニ公園になっている。②祖母井神社の夏祭りは、とちぎの祭り百選。神輿や山車が町内を練り歩き五穀豊穣、無病息災を祈願する。神社の一角には「愛染かつら」で知られる小説家川口松太郎の句碑がある。川口は一時期、神社の隣に住んでいたことがあり、後年、友人の墓参りの際に詠んだ。③姥が池ロマン公園にも昭和初期の大衆文学の先駆者の一人、江見水蔭の句碑がある。池は弁天池とも呼ばれ、日光山を開山した勝道上人が産湯に使ったとされている。江戸時代に鬼怒川から水を引いた用水溜の唐桶溜は、冬季にはハクチョウが飛来する。最近、日本のため池百選になった。

ロマンの碑

ロマンの碑

祖母井神社

祖母井神社

姥が池ロマン公園

姥が池ロマン公園

学ぶ

 ①芳賀町総合情報館は博物館、図書館、文書館の機能を併せ持つ複合館。町民と町が一体となって文化・地域・行政情報資源を収集・保存・活用できる読書・情報センターである。博物館は美術、考古、民俗資料を収集保存しているほか、遺跡から出土した土器、埴輪などの考古、稲作、畑作、ナシ生産の道具やランプや升といった生活道具などの民俗資料を展示している。図書館の蔵書数は約63000点を誇り、インターネットによる情報収集用にパソコンも設置したハイブリッド化も図っている。図書にICタグを付ける工夫で管理、貸し出しの両面で利便性を高めた。文書館は町史編さん資料や歴史的公文書、古文書などを保存。同情報館では町民の作品展示や企画展示も行っている。自然派には②富士山自然公園がある。湿地木道やケヤキの林があり、野鳥やホタルなどを観察できるほか、春には900本の桜の花が楽しめる。芳志戸の③般若寺跡には徳川10代将軍家治の養女種姫が建立した供養塔と歴代僧の墓碑が今も残る。

芳賀町総合情報館

芳賀町総合情報館

富士山自然公園

富士山自然公園

般若寺跡

般若寺跡

 県央の東寄りに位置し、西は県都宇都宮市、南は真岡市、北は高根沢町に接する。町の中央を南北に流れる五行川がもたらした平坦な地形に水田地帯が広がり、挟むように東西に緩やかな丘陵地が連なる。昔から農業が盛んで、米をはじめ果樹、野菜類の施設園芸や畜産と幅広い。特に幸水などのナシは町の特産品で県内有数の生産地として知られる。交通

芳賀町の特産品のナシ

芳賀町の特産品のナシ

網は鉄道こそないが南部を国道123号、北部を主要地方道宇都宮茂木線が横断、南北に主要地方道真岡那須烏山線が縦断。恵まれた交通網を背景に芳賀工業団地と芳賀・高根沢工業団地が立地、高度な技術や先端産業の研究所などが町の経済を支える。農業では特産品のブランド化、商業では魅力ある商店街づくりを進めるなど農工商調和の取れた発展を続ける。

遊ぶ

 「延生(のぶ)のお地蔵様」と呼ばれ親しまれている①城興寺。安産、子育て、子授かりの地蔵尊として知られ、子宝を求める夫婦らが県内外から訪れる。8月の「延生の夜祭り」は関東三大夜祭の一つ。芳賀工業団地内のかしの森公園は親子連れが滑り台やフィールドアスレチックに興じる。園内や周辺6キロにわたる桜並木は見応えがある。散策の後は「道の駅はが」で食べて、遊んで、湯につかる。同駅の温泉②ロマンの湯は地下1500メートルから黄金色の湯が湧出する。泉質はナトリウム塩化物温泉で神経痛や関節痛、冷え性などに効能がある。露天風呂やサウナも完備。隣接したいちご園では1月から5月までいちご狩りが楽しめる。芝居も見たいなら上延生ヘルスセンターへ。人情芝居や舞踊が楽しめ〟田舎の歌舞伎座〟として親しまれている。③芳賀町B&G海洋センターは1年を通して楽しめる温水プール。らせん状のウオータースライダーは子どもに大人気。

城興寺

城興寺

ロマンの湯

ロマンの湯

芳賀町B&G海洋センター

芳賀町B&G海洋センター

食べる

 町の特産品のナシは8月中旬から10月下旬にかけて幸水、豊水、あきづき、ジャンボなにっこりと収穫が続く。イチゴの栽培も盛ん。町の味が集結するのが道の駅はがの「友遊はが」。芳賀町のコシヒカリ100%のブランド米・①芳賀のめぐみやナシゼリー、ジュース、手作りまんじゅうに②手作りみそ、特産品のいちごワイン、日本酒の芳賀浪漫と豊富にそろっている。また、町では町内産の二条大麦と特別栽培米のコシヒカリを使用した本格麦焼酎③芳賀の大地を製造し、4月末から販売を開始。地元の4軒の酪農家が開いたアイスクリーム工房では季節の果実を使った手作りジェラートが、フラワーショップのカフェコーナーでは花を見ながらコーヒーなどが楽しめる。レストランでは自慢のゆであげパスタに手作りソースがぴったり。生産者が持ち込んだ新鮮な農産物も豊富だ。町内にはほかにも精肉店のメンチカツやなし最中、ごましぼりなどの自慢の品がある。

芳賀のめぐみ

芳賀のめぐみ

手作りみそ

手作りみそ

芳賀の大地

芳賀の大地

ふるさと散歩

【民話】梅の木堰の龍
 芳賀町の芳志戸にある五行川の「梅の木堰」には、龍にまつわる話が残る。
 ある日、村人が梅の木堰を通りかかると巨大な龍が横たわっていた。この渕にすむ雌の龍があまりの陽気にうたた寝をしていたのだった。退治してしまおうということになり、村人総出で切り刻んで田の肥やしにしてしまった。

道の駅はが

 渕には雄の龍もすんでいて、この出来事を知って大変に怒り、天に昇って毎日毎日雨を降らせ続けた。野良仕事ができなくなった村人たちは、大いに反省し、殺した龍を手厚く供養すると、ようやく雨がやんだという。

わが街自慢の逸品

手作りまんじゅう
 手作りまんじゅうは、栗入りかぼちゃやチーズ入りかぼちゃ、黒糖など種類豊富。こしあんがたっぷり入った皮厚のまんじゅうで、昔懐かしい素朴な味で好評を博している。道の駅はが内の菓子工房で毎朝蒸しているので、無添加作りたてを提供できる。道の駅はが「友遊直売所」で販売中。

手作りまんじゅう

芳賀ものしり百科

●はが歳時記
4月初旬 さくら祭り
8月23日 延生の夜祭り
中旬 花火大会
9月中旬 梨祭り
11月第2日曜日 町民祭
11月~3月 7回にわたり太々神楽の競演
●芳賀町民祭
 町民総参加のお祭り。子供たちの音楽発表や各種団体の作品展示などとともに「梨の里マラソン大会」も開催される。

芳賀町民祭

芳賀町民祭

●芳賀町ブランド「芳賀の恵み」
 町で生産される農畜産物や加工品などに一定の基準を設けて認証し地域ブランドとしてアピール。
 これまでにアスパラガス、ニンジン、イチゴ、梨ジュースなどが認証されている。


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