通夜

現在は通夜にも弔問客が多く訪れます

斎場で行う通夜が便利

 逝去した夜、遺族が死者の蘇生を願って夜通し遺体を囲むのが通夜で、葬儀の前に行われます。かつての通夜は夜通し行われていましたが、現在では午後6時ごろから僧侶による読経と焼香が約1時間、通夜振る舞いは1〜2時間程度行われ、半通夜と言った形態になっています。
 本来一般の弔問客は葬儀か告別式に来るものですが、夜に行われる通夜のほうが昼間より参加しやすいため、最近は本通夜に一般の弔問客が訪れることが多くなりました。
 また、通夜は今日、斎場で行う場合が多くなりました。斎場で行う場合は葬儀社が一切の準備を行います。車社会の栃木県では、駐車場も完備している斎場の利用が安心です。大人数の葬儀にも対応できる斎場もあります。高齢化により手伝いの人を頼みにくい場合や人員を確保しにくいときには斎場のスタッフが対応できます。


写真提供:大心堂

写真提供:大心堂

遺影の準備をする

 遺影は最近の写真で故人の穏やかな表情のものを選び、葬儀社に渡します。
できれば正面を向いているものにします。写真は白黒でもカラーでもかまいません。
 引き伸ばしや背景切り抜きなどの加工は葬儀社にて行い、額に入れて黒いリボンがかけられます。

香典や供物の受け取り

 通夜への弔問客が増えている昨今、香典や供物、供花を受け取ることも多いので、受け取りを担当する世話役は芳名帳・香典帳・供物帳を用意し、氏名や会社名、所属、役職などを間違いなく記帳しておきます。シキミや供花を申し込む人のために、受付では釣り銭や領収書の用意もしておきましょう。

供花の配置を決める

 供花は葬儀社が準備をしますが、配置は喪主が指示をする必要があります。
 一般的な配置は、祭壇に向かって左側が喪家関係で血縁の濃い順番に棺に近い方に置きます。右側は一般の申し込み者のもので、故人と縁の深かった人もしくは社会的立場の高い人の順に置きます。花輪は玄関に飾り、やはり血縁の深い順に並べます。

香典を受け取るとき

 親族や勤務先などに依頼した世話役の受付係(もしくは会計係)には香典の受け取りをお願いします。担当する人は遺族に代わってお礼を述べ、受け取ります。お礼の言葉としては「ありがとうございます」は避け、「お心遣い、痛み入ります」「ご丁寧に恐れ入ります」などを使います。

通夜の席次と焼香の順番

 親族だけで行っていた通夜のころは席次は関係ありませんでしたが、一般弔問客が増えたため、焼香の順番を配慮した席次にする必要があります。
 中央を通路で分けている場合、祭壇に向かって右側は喪主・遺族・親族の席となります。左側は世話役、勤務先関係や知人友人、一般弔問客の順で座ります。
 焼香の順番は席順に行いますが、弔問客が多数の場合には後方に複数の香炉を置くか、回し焼香をする場合もあります。
 一般の弔問客には会葬礼状と粗供養の品、お清めの塩とお酒を渡します。
返礼品は葬儀社に依頼します。

仏式の通夜の流れ

 通夜開始の20〜30分前に僧侶が到着するよう世話役が迎えに行きます。到着後は控室で茶菓で接待します。その際世話役は僧侶と通夜の進行についての打ち合わせをしておきます。
 弔問受付は30分前から開始します。
15分前になると喪主と遺族も席につきます。
 僧侶が入場すると読経(30〜40分程度)、焼香が行われます。
 焼香は喪主が最初に行い、続いて遺族、親族、一般弔問客の順に焼香します。その後、僧侶による法話や説教が入ることもあります。

僧侶の退席後

 全員の焼香が終わると、僧侶により通夜の終了が告げられ、退席します。喪主は弔問客にあいさつを行います。
 僧侶はその後通夜振る舞いの部屋へ案内しますが、出席をしない場合は「御膳料」を包み、渡します。

通夜振る舞い

 僧侶による読経と焼香が終了すると部屋を移し、喪家による通夜振る舞いを行います。通夜振る舞いとは弔問客に対するお礼と故人への供養のために行う酒席です。最初に喪主からあいさつをします。
 料理は本来精進料理ですが、最近は寿司やサンドイッチなども出しています。仕出し料理が一般的ですが、人数がわからない場合は盛り合わせにして取り分けてもらうケースが多いようです。紙皿と紙コップを用意しておきます。
 自宅で行う通夜で通夜振る舞いの場所がとれない場合はお弁当をお渡しすることもあります。

神式の通夜祭と遷霊祭の流れ

 神道で仏式の通夜にあたるのが通夜祭です。通夜祭は葬場祭(仏式の告別式)の前夜に行われます。
 通夜祭に引き続いて霊を霊爾に移す「遷霊祭」が行われます。霊爾に御霊を移す儀式の間、明かりは消して暗闇で行われます。
 神道の場合は死はけがれとされるため、神社で通夜や葬儀は行いません。自宅か別の会場で神官を迎えて行います。
 祭壇の前に参列者が控え、神官は祭壇に供物を供えて祭詞を唱え、続いて玉串奉奠を行います。神道では仏式のように焼香はしません。これにあたるのが玉串奉奠です。
 儀式終了後、仏式と同じく通夜振る舞いをします。

キリスト教式の通夜の流れ

 カトリックでは通夜のことを「通夜の集い」といい、プロテスタントでは「前夜祭」と呼びます。棺や祭壇(枕飾り)、献花台などの準備は同じです。
カトリックの進行は、①参列者全員による聖歌斉唱②神父による聖書朗読と説教③お祈り④献香、献花⑤神父による結びの祈りです。終了後に遺族代表によるあいさつがあり、参列者を茶菓子でもてなし故人を偲ぶ「茶和会」を行います。
 プロテスタントの進行は、①賛美歌斉唱②牧師による聖書朗読③お祈り④賛美歌斉唱⑤牧師の説教⑥賛美歌斉唱⑦献花となっています。終了後はカトリック同様「茶和会」でもてなします。キリスト教式の場合は酒や料理でのもてなしは行いません。


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