上三川町長インタビュー 星野 光利 町長

住みやすく転入増加

平坦で肥沃な土地に恵まれた上三川町。北関東自動車道の全面開通で交通の利便性もさらに高まった。住宅団地が整備され、少子高齢社会の中でも人口減少に歯止めがかかっている。優れた環境を活かしたまちづくりのキーワードはコミュニケーションだ。

人口が増え県内一若い平均年齢
■上三川町はどのような町かご紹介ください。また、特にアピールできるところはどんな点ですか。
星野光利町長

星野光利町長

 北関東自動車道が開通したほか、新4号国道も大半が6車線となり、JR石橋駅の東口が整備されるなど、交通の利便性が大変高まりました。県の中央部に位置し、東西南北どこへ行くのにも便利になりました。さらにインターパークなどの商業施設も整備されています。災害が少なく気候も穏やかな地域で、町名が示す通り、鬼怒川、田川、江川の3つの川が流れる肥沃な土地です。この住環境にひかれて、町外から転入する人がたくさんいます。このため人口が増えていますし、平均年齢も県内一若い町です。出産、育児から健康、福祉まで各種の機能が集まった総合福祉施設の「いきいきプラザ」は、年々利用が増えており、特に子育て中の若いお母さんたちに好評です。また、鬼怒川河川敷に整備されたバーベキュー場や緑地公園もたくさんの町民でにぎわっています。目立った観光地こそありませんが、住むのにはすばらしい環境といえます。

防災体制を整備し情報交換のツールに
■まちづくりで今後力を入れたいと思っていることを教えてください。

 今回の東日本大震災を経験して、町民の皆さんの防災政策へのニーズが高いことを痛感しました。防災関連施設の整備にはぜひ取り組みたいと考えています。防災という側面だけでなく、町民のコミュニケーションのツールとしての活用も検討したい。ただ、予算が伴うことなので、皆さんのご意見をよく聞きながら進めていきます。今回の選挙で町内を歩きながら強く感じたのは、コミュニケーションの重要性です。すばらしいアイデアを持っている町民がたくさんいます。役場内にとどまらずどんどん外に出て、ご意見を伺いながら町政に反映させたい。幸い、猪瀬前町長が無駄の削減に取り組んで来られましたので、これを引き継ぎ、さらに行政改革を進めながら、スピーディーな政策を展開していきたいと思います。組織改革、機能改革などに会社経営の経験が生かせればとも考えています。

さら住環境を整備し少子高齢化に対応
■長期的な視点での政策についてどうお考えですか。
上三川町庁舎

上三川町庁舎

 少子高齢化の波は避けられませんが、なんとか人口の減少を最小限に食い止めなければなりません。本町は、優良な住宅地を供給すれば、まだまだ可能性はあります。現在、町内には本郷台とゆうきが丘という2つの大きな住宅団地がありますが、ネットなどで生活環境を調べて、わざわざ町外から移ってきたという人も多いのです。
 私は「思いやりのある現場主義」を掲げています。庁舎から出て現場で町民の声をよく聞き、地域で何かをやりたいという時には町が支える体制をつくりたい。情報を共有し、地域のコミュニティーを重視しながら、それが全体に広がっていくようになればいいですね。また、平均年齢が若く子どもが多いので、こうした子どもたちをしっかり育てる教育環境整備にも力を入れたいと思います。健全な心身の育成にはスポーツが有効なので、スポーツが楽しめる環境づくりも進めていきます。

震災きっかけに真の「協働」考える
■まちを元気にするためのお考えはありますか。

 東日本大震災後、自粛ムードが広がりましたが、すべてが自粛ではいけないと思います。わが町のようにあまり被害を受けなかったところは、元気を
分けてあげられるようなことに取り組んで、日本全体を復興させる力になるべきです。一方で町内でも、大震災による被害は少なからずありましたが、町民同士の連携により、被害を最小限に止められた例もありました。このような災害に強いコミュニティーをどうつくるかが課題ですね。大震災は、住民自らが考え、行動する本当の意味での「協働」を考えるきっかけになりました。

■大企業、中小企業など、産業の振興についてはいかがでしょうか。

 上三川町は町の中心に日産自動車栃木工場があります。今後も日産との連携を進めるとともに、他の企業の誘致にも力を入れていきます。進出企業に対する各種の優遇措置なども継続します。また既存の企業とも意志疎通を密にし、予想される節電対策などに万全を期したいと思います。
 選挙を通して感じたのは、自分たちのまちを自分たちでつくろうという機運が、若い世代を中心に盛り上がっているということです。もともとは農業のまちですから、すばらしい農産物があります。これら若い世代のアイディアを加えて新しい特産品ができないかとも思っています。

切手でバードウォッチング

スズメ(1999年発行 マーシャル群島)
 日本では人家の周りで見られる代表的な鳥で、森や林で見られることはめったにありません。私たちにとってはとても馴染みの深い鳥で、ユーラシア大陸などに広く分布しています。
 英名をTree Sparrow といいますが、訳すと森スズメということになります。人家の周りに生息しているのに森スズメといわれると少々違和感がありますが、実はスズメ本来の生息地は森林地帯なの

スズメ

です。ヨーロッパの鳥類図鑑などを調べてみるとシベリアの森林地帯などに分布していることがわかります。
 1999(平成11)年にマーシャル群島から発行されたスズメの切手には、葉っぱの陰で群れている3羽のスズメが描かれています。


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