那須町長インタビュー 高久 勝 町長

観光資源を活かす

那須町は那須連山の自然や温泉、多彩なレジャー施設に恵まれる。御用邸があり、落ち着いた観光地として多くの人が訪れている。また、古い歴史のある八溝地域も新たな観光資源として注目される。こうした資源に農業を連動させて新しい観光をつくり出そうとしている。

多様なニーズに対応できる観光地
■町の概要をご紹介ください。
高久勝町長

高久勝町長

 栃木県の最北端、関東の最北端に位置しています。茶臼岳を主峰とする那須連山に代表される自然がすばらしい町です。那須連山の裾野に広がる那須温泉街を中心とする観光と、農業のバランスがとれた町です。年間500万人以上の方に訪れていただいています。自然、歴史と伝統のある町並み、さまざまなレジャー施設やテーマパークがそろい、多様なニーズに応えられる観光地です。

新たな見どころ平成の森に大きな期待
■見どころはたくさんあると思いますが、特に自慢したいものは。

 まず、すばらしい自然ですね。愛子様のお印のゴヨウツツジ群生地があり、八幡にはツツジ群落があります。また、御用邸用地の一部560ヘクタールが宮内庁から環境省に移管され、平成23年5月一般開放されました。このほか、1300年の歴史がある湯本温泉があり、代表的な鹿の湯は優れた泉質を誇っており、また、新たに掘削した温泉も各所にあります。本町には御用邸がある関係で、落ち着いた観光地、品のある観光地だとの認識が深まっています。多彩な美術館があるほか、2つの道の駅があります。一つは「東山道伊王野」で、農産物の直売と地粉を使った「水車そば」が有名です。もう一つは「那須高原友愛の森」です。物産店、工芸館、観光情報センター、農産物直売所などがありますが、「レストランなすとらん」では、町内各施設のシェフが地元の食材を使って腕を競い合っている料理「那須の内弁当」、愛称「なすべん」や那須和牛料理「ステーキ丼」など、人気があります。

ボトムアップの行政を実現したい
■現在、まちづくりで力を入れていることをお話しください。
那須町庁舎

那須町庁舎

 できるだけ町民の声を町の行政に反映するボトムアップの行政を実現したいと思っています。そのため、これまで4回開催していた町政懇談会を、「まちづくり懇談会」と題して18回開催し、いろいろな意見・提案を聞かせていただきました。また、出席できなかった方のために、町長の「出前ふれあいトーク」を始め、小グループの皆さんから意見・提案をいただいています。

■中長期的に考えて今後、どのような施策に取り組んでいきますか。

 平成23年度からは第6次振興計画後期計画に入ります。本町は大きな観光地ですので、農業やそのほかの産業と連携する物流システムをつくりたいと思っています。道の駅でも売れ行きがいいと、お昼で物がなくなってしまう。来ていただいた方が残念な思いをしないよう安定した供給を図りたいですね。またできるだけ無駄がでないよう、学校給食の地産地消やホテルなどへの供給に取り組む統括的な組織をつくりたいと考えています。観光面では平成の森のオープンが、大きなターニングポイントになるでしょう。平成22年には選定委員のブライダルファッションデザイナーの桂由美さんらにより、那須高原展望台が全国で100番目の恋人の聖地に選ばれ、ブライダル関係でも発展していく起爆剤として、本格的な整備を図りたいと思います。八溝山系には伊王野、芦野という歴史と伝統のある地域があります。岩観音や芭蕉が立ち寄った「遊行柳」などいくつかポイントがありますので、ゆっくりと周遊できるよう拠点整備を行っていきたいと思っています。またスポーツによる町民の健康増進を図るため、総合運動公園の建設も構想しています。那須は全国的に知られていますので、スポーツ大会やキャンプ、合宿などができる施設になればと思っています。

若い人たちと積極的に対話する
■町民を元気にするために取り組んでいることは。

 一番必要なのは町民の皆さんの行政に対する信頼感を取り戻すことです。それには行政のトップが、特に若い人たちと話し合うことが必要です。当然、職員の力も必要なので、職員を知るため朝夕各1時間、懇談をしています。若者対策では、グリーンハイツ田中という町の分譲地で、子ども1人に対して100万円引きという制度を設けました。JR東北本線の高久駅の近くで小学校にも近い場所にあります。たとえば子どもが5人いれば、かなり低額で購入できるということです。ぜひ本町に住んでいただきたいと思います。

■中小企業と企業に対する振興策をお話しください。

 観光や地場産業の振興を図らなければなりません。不景気の中、観光関連ががんばってくれていますので、観光協会との連携強化を図り、中小企業に対する融資の支援も継続していきます。また、那須塩原市と那須町の那珂川沿いに10ヘクタールほどの県所有地があります。その用地を活用し企業誘致を図り、雇用促進につないでいきたいと考えています。

切手でバードウォッチング

モリフクロウ
(1990年発行 ポーランド)
 フクロウは「不苦労」「福郎」のゴロ合わせや「森の賢者」と称され、知恵の象徴などとして人気が高い鳥の筆頭格です。世界的にも人気が高くて各国がきれいな切手を発行しています。
 しかし、昔の中国や日本では夜行性のフクロウは不吉な鳥でした。「フクロウが家に入ると子孫が絶える」と考えられ、夏至の日にフクロウの首をはねて獄門台に晒したのだそうです。漢字の「梟」は獄門台に晒されたフクロウの姿を表わしています。

モリフクロウ

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