日光物語

2006(平成18)年に今市市と日光市、藤原町、足尾町、栗山村が合併、新たな日光市として誕生した。世界遺産の日光の社寺をはじめ日光杉並木街道など世界に誇る自然と歴史的、文化的な遺産、さらに鬼怒川温泉など温泉に恵まれ、人々を魅了する。国際観光文化都市の道を着実に歩む。

見る

 1999(平成11)年12月に世界遺産に登録された「日光の社寺」。日光山内にある①東照宮、輪王寺、二荒山神社の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)の「建造物群」と、この建造物群を取り巻く「遺跡(文化的景観)」だ。②日光杉並木街道は日光・例幣使・会津西の三街道の全長37キロで、両側にわたって約12500本の杉が植えられている。2005年にラムサール条約湿地に登録された奥日光の湿原。湯ノ湖、湯川、戦場个原、小田代原のうち約260ヘクタールで、全域が日光国立公園。中禅寺湖の流出口にある高さ97メートルの華厳ノ滝は日本三大名瀑の1つだ。高さ約100メートルの一枚岩・楯岩は鬼怒川温泉のシンボル。③鬼怒楯岩大吊橋や鬼怒川ライン下りで見ることができる。2200万年前の海底火山の爆発によってできたとされる龍王峡。峡谷に架かる虹見橋からは、虹見の滝と連なる数々の奇岩や怪石、豪快で迫力ある景観を楽しめる。

東照宮

東照宮

日光杉並木街道

日光杉並木街道

鬼怒楯岩大吊橋

鬼怒楯岩大吊橋

学ぶ

 ①日光田母沢御用邸は、大正天皇の静養のために旧紀州徳川家江戸中屋敷の一部を移築し、増改築するなどして1921(大正10)年に現在の姿になった。謁見の間など、天皇のご公務の様子などもうかがえる。日光市歴史民俗資料館は、日光杉並木に関する資料展示が多く、企画展のほか県立博物館移動講座なども開催する。日光植物園は1902(明治35)年に開設された東大の付属施設。日光国立公園内に自生する植物など2200種以上が栽培されている。神橋を望む高台にあるのが②小杉放菴記念日光美術館。「自然へのいつくしみ」を基本テーマとし、画家・小杉放菴の画業を紹介する。③足尾環境学習センターは、自然の大切さと環境問題について学ぶ施設。足尾銅山の歴史や公害、環境問題などについて広く学べる。二宮尊徳翁の資料館を兼ねる報徳今市振興会館。今市報徳役所遺跡跡を尊徳翁没後100年の記念事業として、民家を移築して開館した。

日光田母沢御用邸

日光田母沢御用邸

小杉放菴記念日光美術館

小杉放菴記念日光美術館

足尾環境学習センター

足尾環境学習センター

 栃木県の北西部に位置し、福島県と群馬県に接する。合併により県土の約4分の1となり、広さでは県下1となる。日光国立公園地域を中心に山間部が大半を占める。地形は標高200メートル程度の平坦地域(市街地)から2000メートルを超す山岳地域まで大きな起伏があり、四季を通じて変化に富んだ観光・スポーツ・

空から見た日光市の一部

空から見た日光市の一部

レクリエーションが可能で、国内外から多くの観光客が訪れる。
鉄道はJR日光線と東武日光線、鬼怒川線・野岩鉄道、わたらせ渓谷鉄道とがあり、首都圏と直結する。道路は国道119号をはじめ、7本の国道に日光宇都宮道路が整備されていて至便。気候は、内陸性気候に属し、夏季は比較的涼しく、冬季は氷点下になることも多く、四季折々の寒暖の差が美しい自然景観を醸し出している。

遊ぶ

 足尾銅山は1610年(慶長15年)備前楯山で初めて銅が発見されて以来、江戸幕府直営の銅山。明治になり民営化されて急速な発展をとげた。現在は、①足尾銅山観光として、国内最大の坑内観光となっている。日光木彫りの里工芸センターは、日光の三大工芸品である②日光彫や日光茶道具、日光下駄といった伝統工芸品を展示。教室などもある。東武鉄道の鬼怒川温泉駅前にある③鬼怒太の湯をはじめ、川治温泉や道の駅湯西川などに無料で楽しめる足湯がある。自家用車の乗り入れが禁止されている奥鬼怒温泉には加仁湯、八丁の湯、手白沢温泉、日光沢温泉の4つの秘湯がある。世界の有名な建築物や遺跡を25分の1の縮尺で再現した東武ワールドスクウェアと江戸の街並みを再現した江戸ワンダーランド日光江戸村などのテーマパークがある。日光霧降スケートセンター、日光湯元スキー場、エーデルワイススキーリゾートは冬季スポーツのメッカ。

足尾銅山観光

足尾銅山観光

日光彫

日光彫

鬼怒太の湯

鬼怒太の湯

食べる

 日光の気候風土はソバの育成に適しており、昔から良質のソバの産地として知られている。市内には①手打ちそばの店が130以上あり、それぞれが自慢のそばを提供している。秋の日光そばまつりは大勢の客でにぎわう。②ゆばは大豆の加工品の1つで、豆乳から作る。日光ゆばは、日光の歴史の中から生まれた一品で、京都のゆば(湯葉)は平らなのに対し、日光ゆば(湯波)は幾重にも巻きあげる。肉や魚の代わるたんぱく源として二社一寺の修行僧や修験者らによって伝えられた。諸大名や公家たちが諸国に持ち帰ったことから全国的に知られるようになった③日光羊羹。二社一寺御用達や甘さを抑えた水ようかん、昔ながらの竹皮包みの一口ようかんなど人気店もある。川治温泉の旅館やホテルで食べられる川治の鬼き子し蔵ぞうじる汁は、市内で採れた里芋や大根、にんじん、ごぼうなど旬の野菜をたっぷり使ったオリジナル料理。

手打ちそば

手打ちそば

ゆば

ゆば

日光羊羹

日光羊羹

ふるさと散歩

【昔話】柏村祐司編・著「栗山の昔話」
 深い山々に囲まれた旧栗山村には、伝統的な生活習慣が色濃く残っている。多くの民俗学者を魅了し、その研究対象ともなってきた。
 昔話の語りべも多くいて、さまざまな種類の昔話がしっかりした形で伝承されてきた。それらは幾つかの研究書にまとめられたが、広く一般に読まれるまでには至っていなかった。
 本書には柏村氏が採集した昔話を中心に五十二話を収録。一般向けに編集された。「正直は一生の宝」「麻布地蔵」など、方言も豊かに語られている。巻頭の解説「栗山のくらし」を読むと、栗山の生活環境がよく理解できる。随想舎刊、A5判、248頁。

栗山の語りべが生き生きと語る「栗山の昔話」

栗山の語りべが生き生きと語る
「栗山の昔話」

わが街自慢の逸品

日光下駄
 神官や僧侶らに正式な履物として用いられていた御免下駄。普通は2枚の歯がついているが、御免下駄は、前の歯が最先端に後の歯が最後尾についているのが特徴。歯の部分などを改良して、一般にも利用されたのが日光下駄。台木の歯の形が八開きになっており、足を載せる部分に竹の皮で編んだ草履表を縫いつけている。

日光下駄

日光ものしり百科

●にっこう歳時記
4月13日~17日 弥生祭
5月18日 百物揃千人武者行列
11月下旬 日光そばまつり
●世界一長い並木道
 ギネスブックに載っている世界一長い杉並木。徳川家康の忠臣松平正綱が20余年の歳月をかけて植えた。現在日本で唯一、特別天然記念物と特別史跡の二重指定を受けている。

百物揃千人武者行列

百物揃千人武者行列

●平家の里
 湯西川は壇の浦の戦いに敗れた平家の落人が隠れ住んだ里といわれ、平家にまつわる史跡が数多く残されている。落人の生活様式をさまざまな観点から再現した9棟の茅葺きの民家を復元した。
●姉妹・友好都市
 八王子市/小田原市/苫小牧市/ラピッド市(米国)/台東区(東京都)/板橋区(東京都)/敦煌市(中華人民共和国)/ 台南市(台湾)/慶州市(大韓民国)


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