那須物語

那須連山の裾野に広がる高原と温泉郷。豊かな自然に恵まれた那須町は「御用邸」のあるロイヤルリゾート地として、多くの観光客を集める。
自立し、発展し続けるため町民と行政が協働して、「緑と活気にあふれる心ふれあう町」づくりの実現に邁進する。

見る

 標高1915メートルの茶臼岳は、関東唯一の活火山だ。その裾野の谷あいに亜硫酸ガスが停滞し、硫黄の独特の臭気が漂う風景が「九尾の狐伝説」を生み、やがて①殺生石を存在させた。②那須高原八幡ツツジ群生は、23ヘクタールに20万本のヤマツツジ、レンゲツツジが咲き誇る。八幡つつじ園地内には3.6キロの散策路が整備され、1時間15分程度で歩いて景観を楽しむことができる。かおり風景100選に選ばれている。③那須街道赤松林は、街道(県道17号那須高原線)入り口から2キロにわたり続く約14000本の天然のアカマツの並木。かつて「高久第一御用地」とよばれる旧宮内省所管の御用林だったが、現在は日光国立公園特別地域に指定され、林野庁塩那森林管理署が保全管理している。那須高原展望台園地にプロポーズスポットを表す「恋人の聖地」ランドマークが設置された。2010(平成22)年6月に全国100番目として認定されている。

殺生石

殺生石

那須高原八幡ツツジ群生

那須高原八幡ツツジ群生

那須街道赤松林

那須街道赤松林

学ぶ

 町の歴史に関する資料を時代ごとに展示している①那須歴史探訪館。旧石器や古墳時代の石器や土器。古代の東山道によって伝わった文化遺産、中世の那須氏一族など、町を探訪できる。さらに鉄道、国道の開設、町村制など、明治維新後の日本の近代化と町の誕生を「道」、「通史」、「トピックスギャラリー」の3部門で紹介している。三森家は、江戸時代に交代名主と問屋を勤めていた。②三森家住宅の主屋は茅ぶき平屋の寄棟造りで、代表的な民家の建築物。解体・復元工事で発見された木枠に「享保拾八年丑五月吉日」と書かれていた。現在の建物は1733(享保18)年に建てられたものと考えられている。主屋、長屋門は1968(昭和43)年4月25日に国の重要文化財に指定されている。江戸時代、宿場、城下町として栄えた芦野。③遊行柳は地元産の芦野石の玉垣をめぐらした中にある。傍らに芭蕉と蕪村の句碑が並び、道の反対側には、西行の歌碑が立つ。

那須歴史探訪館

那須歴史探訪館

三森家住宅

三森家住宅

遊行柳

遊行柳

 栃木県の最北端に位置し、首都東京から約180キロにある。那須連山と八溝の山並みが広がり、北西部に那須連山の主峰、茶臼岳がそびえ、今なお煙を吐き続ける。那珂川をはじめ町の中央部の余笹川、東部には清流の三蔵川など
水環境に恵まれている。東北自動車道、国道4号が首都圏を近づけ、鉄道は東北本

朝日岳山頂と茶臼岳

朝日岳山頂と茶臼岳

線の黒田原駅など3駅を持つなど便もいい。湯本温泉は、1370年の歴史を持ち、那須温泉郷として有数の観光名所となっている。那須山麓一帯には、別荘地や数多くのテーマーパークがあり、高原地帯では酪農、中央・東部地区には、水田地帯が広がる。南東部の伊王野・芦野地区には俳人松尾芭蕉に関連する史跡もある。

遊ぶ

 観光地那須は、四季を通したレジャー施設が多く、家族連れから個人まで楽しめる。小さなスイスをうたう①りんどう湖ファミリー牧場。人工湖のりんどう湖を中心に広さ約30万平方メートルのレジャーランドパーク。湖や牧場、乗物など楽しめる要素が盛りだくさん。ワイヤーで湖上を220メートル滑空する「ジップライン~KAKKU ~」は日本最長、湖上滑空は世界初という。北関東最大級という②那須ハイランドパーク。F2(エフ・ツー)など10大コースターなど絶叫系からキッズ向けのアトラクションまで約40種類がそろう。那須どうぶつ王国は、広大な2つのゾーンの敷地に500頭以上の動物たちがいる。「野生の王国」那須サファリパークは、約70種700頭をバスなどで探検。草食動物に直接餌を与えるなどの体験が味わえる。③南ヶ丘牧場は、酪農を中心とした乗馬体験や釣りが楽しめる観光牧場。年中無休で、入場、駐車料は無料。

りんどう湖ファミリー牧場

りんどう湖ファミリー牧場

那須ハイランドパーク

那須ハイランドパーク

南ヶ丘牧場

南ヶ丘牧場

食べる

 道の駅那須高原友愛の森のふれあいの郷直売所では、地元の新鮮な野菜を販売している。那須の高原アスパラは、太くて柔らかで甘い。同じ駅にあるふるさと物産センターでは、山菜、花木、乳製品、農産物加工品などを販売。コクと味わい深い那須みそや那須牛を使った黒毛和牛ビーフカレーなどのお土産品もある。新品種の夏秋イチゴ①なつおとめは、平成24年からの一般栽培を目指している。②道の駅東山道伊王野では、直径12メートルと5.6メートルの水車の石臼で挽いたそば粉でつくった手打ちそばが食べられる。那須高原 南ケ丘牧場のガーンジィゴールデンミルクは、コクがありクリーミー、しかも後味はさわやかな牛乳。日本に200頭しか飼育されていないガーンジィ牛から採る。各地のビアコンテストで賞を獲得しているのが③那須高原ビール。ブランドの一つ「愛」は、那須連山の雪解け水で醸造された豊かな味わい。宮内庁御用達の地ビール。

なつおとめ

なつおとめ

道の駅東山道伊王野

道の駅東山道伊王野

那須高原ビール

那須高原ビール

ふるさと散歩

【祭礼】半俵の寒念仏
 那須町高久乙に伝わる念仏踊りで、毎年、寒の入りと夏土用の入りの2回行われている。源義経が頼朝の追っ手を避けて奥州に逃れる際に、阿久戸の岩屋で一夜を過ごしたことを縁に始まったとされている。義経主従の供養のための踊りだったものが、やがて五穀豊穣、家内安全、無病息災などを願う踊りに拡大していったようだ。

地域の人たちが保存している「半俵の寒念仏」

地域の人たちが保存している
「半俵の寒念仏」

 義経と弁慶の冠を被った「太鼓打ち」などが笛や念仏に合わせて舞い踊る。かつては愛宕神社境内で行われていたが、現在は神社で神事を行った後、半俵公民館で披露されている。地域の人たちでつくる半俵寒念仏保存会が伝えており、栃木県無形民俗文化財に指定されている。

わが街自慢の逸品

那須の内弁当
 愛称「なすべん」。九尾の狐にあやかって①那須のお米コシヒカリ②那須のニラ③那須の白美人ネギ④那須和牛⑤那須の美なすor那須の春香うど⑥那須の旬の高原野菜⑦那須の食材スープ、汁物「な・すーぷ」⑧那須のフルーツ⑨那須の牛乳―の9種類を9つの料理にして9つの器に盛り付け、八溝杉の特性プレートで提供する地産地消ランチ。8つのお店が独自に調理して提供している。

那須の内弁当

那須ものしり百科

●なす歳時記
1月第3土曜 黒田原花市
3月1 渓流釣り解禁
5月8日 那須岳開山祭
7月第3土曜 八雲神社例大祭
9月下旬 那須九尾まつり
●玄翁/源翁(げんのう)
 大工道具の一つ。ハンマーの頭部の片側が平面で、反対側はやや凸の曲面になっている。「九尾の狐伝説」の殺生石を砕いた玄翁和尚に由来するといわれる。
●トラピストガレット
 那須高原の山中にある那須トラピスト修道院の手作りガレット。北海道とここ那須でしか作られていない洋菓子。バターと卵、砂糖、小麦粉だけで添加物などは使っていない。
●那須未来株式会社
 那須町と町の経済4団体が出資して2008(平成20)年6月に設立した。町が所有する観光や農林業との連携を図りながら地域資源を活用して、地域経済の振興発展とスリムな行政機関実現を支援する。
●那須ナンバー
 栃木運輸支局は2006(平成18)年10月10日から、大田原市、那須塩原市、那須町の2市1町を使用の本拠とする自動車を対象に「那須」ナンバーの交付を開始した。


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