市貝町長インタビュー 入野 正明 町長

町づくりへ全員参加

芝ざくら公園で知られる市貝町。その立地から、多様で貴重な動植物の生息事例も報告されている。小さな町の特性を活かしながら、全員参加の意識で郷土づくりに取り組む。周辺地域とともに長年の悲願となっている芳賀台地の開発も少しずつ進んでいる。

歴史、自然豊かな地域、縄文時代の住居も
■この度の大震災では大変な被害が出ましたね。
入野正明町長
入野正明町長

 東北地方と同じ震度6強の打撃を受け、全壊12棟、一部損壊を含め1670棟が損害を受けました。特に、中学校の全損は、物理的にも心理的にも衝撃が大きく、子供たちには不便をかけ、残念に思っています。温かい支援の手を差し延べて下さった皆様に心から感謝申し上げます。町民一丸となって復旧復興にまい進していく覚悟です。

■町の概要をお話しください。

 関東平野が山地と融合する所に位置し、平地、山林、中山間地の要素を持った緑豊かな町です。多種多様な生物種がいます。小貝川に沿って縄文から弥生と住居跡があり、縄文時代の遺跡がこれだけ残っているところは珍しい。少し年代が下がってくると、小貝川を境に那須家と宇都宮家が対峙した激戦地で、出城がたくさん残っています。現代になると、花王が進出して町税の半分を同社からいただいています。花王がある赤羽工業団地は桜並木もきれいです。歴史が古い一方で最先端の工場もあり、住みやすい町だと思います。

30万人を集める芝ざくら公園
■特に自慢のものを選ぶとすれば何でしょうか。

 まず観光地として定着してきた芝ざくら公園のシバザクラです。花の時季にはひと月あまりで30万人が来ます。その人出を地域振興につなげたいと考えています。村上駒込地区の観音山梅の里づくりは、梅の収穫祭、梅の木のオーナー制度など都市との交流を行い、地域に根付いています。このノウハウを芝ザクラにも応用していきたい。特産品としては大畑家の武者絵があります。世界に誇れる伝統工芸で、美術館もあります。3代目大畑耕雲氏は、平成4年に栃木県選定技術保存者の第1号に認定され、伝統工芸士でもあります。自然では多田羅沼が県の環境保全区域の第1号になりました。サギソウやモウセンゴケなど貴重な生物がいます。また、国と相談しながら国指定の重要文化財の入野家住宅を整備したい。交流拠点などにできればと思います。

子育て、長生きが安心してできる環境を
■今、まちづくりで力を入れていることをお話しください。
市貝町庁舎
市貝町庁舎

 「安心して子育てができるまち」「安心して老いていけるまち」を2本柱に掲げました。まず、子どもを預けて安心して仕事に行けるように学童保育に力を入れています。また、学力差が出ないように、補修授業として「寺子屋」のようなものをやりたい。子ども医療費の給付方式や子宮頸がんワクチンにも取り組みます。高齢者については、安心して買い物や病院に行けるように、デマンド交通を導入します。町の保健師さんや栄養士さんに巡回してもらい、お年寄りが安心して在宅で暮らせるようにしたいと思います。肺炎球菌ワクチンの全額補助も行います。老人クラブは「長寿クラブ」に名前を変えて、活動の活発化に向けて支援をしようと考えています。敬老会も出席しやすいよう地域単位でやればいいと思います。

畑作農業の振興へ知恵を絞る
■今後、どのような施策に取り組んでいくご予定でしょうか。

 家族を支える中間層が安心して生活できることにポイントをおきます。産業振興政策は、やはり税収の半分を占める花王が中心になるでしょう。赤羽工業団地のきれいな桜を守るため、都市計画道路の電線地中化を進めます。中小企業対策は、町内の企業の実態調査を行い、その上で必要なものを実施していきたい。商店街の活性化に関しては、公共施設が郊外に出てしまったのが衰退の原因とも思うので、新たに公共施設をつくる場合は中心市街地に戻します。お医者さんが撤退してしまったので、誰でも来られる医療施設を中心市街地にセットし直すことも考えています。また、那須烏山市、市貝町、茂木町、芳賀町、益子町の1市4町で、芳賀台地土地改良区協議会をつくっています。畑作振興のために水晶湖を造成しましたが、その後進んでいません。そこで、企業農場の誘致に力を入れます。雇用も生まれるし、後継者もできる。講演会を開いたり、国でもワーキンググループをつくって農業者と話し合いに入っています。

■町民参加をどうお考えですか。

 協働のまちづくりに向けて、行政戦略会議をつくりました。有識者、農業者、主婦などさまざまな立場から、町の施策について毎月議論をしてもらい、広報に報告を載せています。職員も地区担当制を取りました。町も町民も情報を共有しながら、小さな町だからこそできる全員参加のまちづくりを行います。しかし、いつまでも人口1万2000人で45億円しかない財政規模でいようとは思わないので、芳賀郡北部4町での合併に向けてしっかりと道筋をつけていきたいと思っています。

切手でバードウォッチング

オオハクチョウ
(1956年発行 ノルウェー)
 デザインされている鳥の数に特別な意味を持たせる場合があります。
1956(昭和31)年に北欧の5カ国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランド)から額面以外は同じデザイン、同じ印刷色(赤と

オオハクチョウ

青の2種類)で発行された白鳥の切手があります。
 5カ国を表す5羽の白鳥が整然と編隊を組んで頭上を飛んでいく姿がデザインされおり、北欧の団結を象徴する切手になっています。
 描かれている白鳥は、嘴の模様や飛翔の形からオオハクチョウのようです。


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