さくら物語

県都宇都宮に隣接し、県北と県東を結ぶ交通の要衝。城下町、宿場町として繁栄、歴史と文化遺産に富む。随所に桜の名所や温泉施設が多く、
ゴルフ場は県内外の人々を集める。個性豊かな喜連川と氏家が合体した市は「素敵な所」として一段と存在感を増した。

見る

 市発行のさくらスポット桜マップは勝山公園や西導寺など31カ所の桜の名所を掲載する。①早乙女の桜並木は約600メートルにわたるソメイヨシノのトンネルで、堤の菜の花の黄色とともに彩りも鮮やか。高台のお丸山公園はピンクに染まる。荒町しだれ桜などしだれ桜の名木も多い。5月には②兎田川原(荒川河川敷)で数百万本のポピーが訪れる人を魅了する。8月にはサマーフェスティバル&花火大会で盛り上がる。秋は今宮神社のイチョウが色づき美しい。2月中旬から3月にかけて商店街の店先などに自慢の人形を展示する氏家雛めぐりも見もの。③さくら市ミュージアム荒井寛方記念館は市出身の日本画家・荒井寛方の作品を展示する。寛方とインドのノーベル賞受賞の詩人で思想家のタゴールとの友情を記念して造られた寛方・タゴール平和記念公園。タゴールが寛方に贈った詩を刻んだモニュメントが目を引く。光明寺の県の指定文化財の青銅造不動明王坐像は江戸中期の傑作。

早乙女の桜並木

早乙女の桜並木

数百万本のポピー

数百万本のポピー

さくら市ミュージアム荒井寛方記念館

さくら市ミュージアム荒井寛方記念館

学ぶ

 喜連川は、矢板川崎城主の弟・塩谷五郎源惟広が1186(文治2) 年に、お丸山に築城して城下町となった。豊臣時代から足利氏の系統の古河公方家が、喜連川氏を名乗って、以後約280年にわたって支配した。龍光寺には歴代の①足利氏墓所と市指定文化財の②足利尊氏坐像を祭る尊氏堂がある。氏家は鎌倉時代初期に宇都宮朝綱の三男公頼が地名から氏家氏を名乗るようになり、勝山城を築いた。勝山城跡公園には当時の土塁や堀が残る。江戸時代に奥州街道が通るなどして氏家宿、喜連川宿が開かれ、交通の要衝に。本陣や旅館、商店が建ち並び、瀧澤家住宅や仙禽酒造、今宮神社などが当時の繁栄ぶりを伝える。御用堀は喜連川第10代藩主が防火、灌漑などの目的で造り、現在は鯉が泳ぐ。鬼怒川舟運の港阿久津河岸には3台の豪華な③彫刻屋台が残り繁栄振りを示す。さくら市ミュージアムの鋸研究家・吉川金次コレクションはのこぎりの歴史を伝えていて興味深い。

歴代の足利氏墓所

歴代の足利氏墓所

足利尊氏坐像

足利尊氏坐像

彫刻屋台

彫刻屋台

 県の中央部北東よりで宇都宮市に隣接、一級河川の鬼怒川左岸の平野部と那須野が原台地間の丘陵部からなる。2005(平成17)年に氏家町と喜連川町が合併して面積約125平方キロ、人口規模では43000人余で県内では12番目。桜の名所が多いことなどから市名ともなった。南北に走る国道4号と東西の国道293号、JR宇都宮線が大動脈。東北自動車

道の駅きつれがわ

道、東北新幹線も市内にI Cと新幹線駅こそないが至便で首都東京も通勤圏。農業を主体とするが、商工業も着実な発展に向けて環境整備を手がける。豊かな自然、城下町や宿場町としての歴史に加えて積極的に開発した温泉、ゴルフ場などを生かした観光地として年毎に存在感を高める。

遊ぶ

 鬼怒川の河川敷を利用した①ゆうゆうパークは広大な芝生広場と小川が流れ、こどもたちが思いっきり遊べる。春にはソメイヨシノが咲き誇り、多くの人が散歩・お花見を楽しんでいる。隣接の勝山公園とをつなぐ勝山パークブリッジからは日光・那須連山が一望できる。勝山パークブリッジにはむすびの鐘があり、若者のデートスポット。荒川と内川の合流点の②水辺公園は水遊びやバーベキューが楽しめる。
 喜連川温泉は1981(昭和56)年に旧喜連川町が主体となって荒川沿いで掘削して誕生した。地下1242メートルから湧出した温泉は硫黄、塩分、鉄分を含む弱アルカリ性高温泉で、泉質は国内有数で日本三大美肌の湯にも選ばれている。③もとゆ温泉のほか、道の駅きつれがわ、源泉かけ流しの早乙女温泉など7カ所で味わえる。6カ所のゴルフ場は丘陵地を生かし、適当な高低差と水辺を配した戦略性に富むコースぞろいでゴルファーに人気。

ゆうゆうパーク

ゆうゆうパーク

水辺公園

水辺公園

もとゆ温泉

もとゆ温泉

食べる

 鬼怒川、荒川、内川の清流は釣り愛好家でにぎわう。ヤナでは新鮮な①アユが味わえる。また鮎の甘露煮、みりん干し、昆布巻、うるかなどの加工品は②道の駅きつれがわの物産販売店などで手にできる。
 大根や温泉なす、キャベツ、ニンジンなどの季節の野菜は種類が豊富で、市内各所の農産物直売所などに新鮮な物が並ぶ。イチゴやナシなどの果実も豊富。リンゴも質が高く、観光農園ではリンゴ狩り体験のほか、100%天然果汁のりんごジュースも求めることができる。喜連川温泉なすは、自慢の温泉の熱を促成栽培の暖房用に使っている。温泉パンや③温泉まんじゅうも、特産品の決め手となっている。
 ニッカウヰスキー栃木工場はグレーン原酒とモルト原酒をブレンドして再貯蔵する施設。市内唯一の酒造元の仙禽酒造では、純米吟醸無ろ過原酒などを送り出す。

アユ

アユ

道の駅きつれがわ

道の駅きつれがわ

温泉まんじゅう

温泉まんじゅう

わが街自慢の逸品

手作りガラス
 商業集積活性化施設の氏家のeプラザ壱番館内のガラスアート工房Assemble(アッセンブル)はワイングラスやぐい呑みなどの彫刻ガラスを製造販売するほか、基礎からインストラクター養成までの教室がある。ダイヤモンドの粉を圧縮空気で吹き付けて彫刻するサンドブラストなどでオリジナル作品にも挑戦できる。

手作りガラス

さくらものしり百科

●さくら歳時記
2月中旬~3月上旬  氏家雛めぐり
4月上旬 ゆうゆうパーク桜まつり きつれがわ商工桜まつり
5月中旬 ポピーまつり
8月 サマーフェスティバル&花火大会
8月 マラソン大会

きつれがわ商工桜まつり

きつれがわ商工桜まつり

●骨董市
 毎月第3日曜日にJR氏家駅東口広場で開催。1999(平成11)年に始まり、
 掘り出し物を求める骨董ファンに定着している。
●市の歌
 「桜」のヒット曲で知られる佐野市出身のシンガーソングライター・河口恭吾の作品。
 作詞・作曲は河口京吾のクレジット。「願いをこめた花」の副題で市の理想を歌い上げている。
●突抜井戸
 動力を使わずに水が湧き出す自噴井戸が喜連川にある。全国に3カ所しかないという。


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