栃木物語

栃木県名を市名に持ち歴史と伝統を誇る。高速道路や国道、鉄道など交通の便に恵まれ、農工商調和の取れた発展を続ける。広大な渡良瀬遊水地をはじめ、多くの自然公園と蔵の街を活用した観光で人々を魅了する。合併で組んだスクラムは頑丈で未来は限りなく明るい。

見る

 江戸時代の豪商の①見世蔵・土蔵群の多くが美術館や記念館として残り、「小江戸とちぎ」と称される。塚田歴史伝説館ではハイテクロボットが歴史を語る。あだち好古館は浮世絵が見もの。岡田記念館は元代官屋敷。横山郷土館は明治時代の銀行。山車会館は秋祭りに2年に1度繰り出す絢爛豪華な人形山車の一部を常設展示する。岩下記念館は絵画や陶芸などの美術品の展示と併せて、漬物の岩下食品の歴史を紹介する美術館。太平山は桜とツツジ、紅葉の名所。太平山神社に続く参道はあじさい坂と呼ばれる。太山寺のしだれ桜は県を代表する名木。北部の星野地区はセツブンソウやカタクリの群落が可憐。都賀には桜の美しい②つがの里のほか、民営の植物園の花之江の郷と大柿花山があり、珍しい花や山野草などが観賞できる。龍興寺のしだれ桜もとちぎの名木百選。大平の大中寺のアジサイ、清水寺のスイセンも見事。③渡良瀬遊水地のヨシ焼きはカメラマンに人気。

見世蔵・土蔵群

見世蔵・土蔵群

つがの里

つがの里

渡良瀬遊水地のヨシ焼き

渡良瀬遊水地のヨシ焼き

学ぶ

 中心部には栃木市郷土参考館や文豪の山本有三ふるさと記念館などがあり、市の歴史と文化について知ることができる。星野地区は1965(昭和40)年からの調査で旧石器が多数発見された前期旧石器時代の遺跡がある。星野遺跡地層たんけん館(休館中)は約10メートルの地層を通して旧石器時代の様子がうかがい知れる。関東ローム層など幾重にも堆積した地層は圧倒的。近くには①縄文時代の住居跡も再現されている。下野国庁跡資料館は、国指定史跡下野国庁跡の出土品や関連資料が展示されている。国府の役人が儀式を行った前殿が再現されていて往時をしのばせる。大平の古刹大中寺は七不思議伝説で知られ、上田秋成が「雨月物語」で書いている。②おおひら歴史民俗資料館には国内最大級の舟形木棺など古代の貴重な出土品が展示され、隣には名主の住家・戸長屋敷を生かした郷土資料館がある。藤岡の歴史民俗資料館には義人③田中正造の銅像がある。

縄文時代の住居跡

縄文時代の住居跡

おおひら歴史民俗資料館

おおひら歴史民俗資料館

田中正造の銅像

田中正造の銅像

 県南部の県境に位置し2010(平成22)年の「平成の大合併」で大平町と藤岡町、都賀町と対等合併。2011(平成23)年10月には西方町と合併予定で面積284平方キロ、人口15万人に迫る。巴波川を利用した舟運と例幣使街道の宿場町として栄え、明治の廃藩置県後は、一時は県庁が置かれた。市内で東北自動車道と北関東自動車道が交差、JR両毛線と東武日

道の駅みかも

光線が走り、新栃木駅で東武日光線から宇都宮線が分岐するなど交通の要衝で有力企業も立地する。市街地の蔵や商家を「蔵の街」として観光に活用、太平山自然公園など観光名所も数多い。渡良瀬遊水地は熱気球やスカイダイビング、カヌー、ウインドサーフィンなどスカイスポーツ、ウォータースポーツのメッカとしてにぎわう。

遊ぶ

 塚田歴史伝説館前を発着点とする蔵の街遊覧船は巴波川からの目線で蔵の町並みを楽しめる。船頭さんの舟歌も一興。広大な渡良瀬遊水地は1年中、①熱気球やスカイダイビングができ、全国規模の大会も開催される。谷中湖では②ウインドサーフィン、ヨット、カヌーと水上スポーツが盛ん。フナや鯉、ワカサギ、ブラックバスなどが釣りファンを集める。湖の周辺では風を受けてサイクリングに興じる人も多い。岩舟町と接するみかも山公園ではフラワートレインやわんぱく広場、散策路などがあり、一日を笑顔で過ごせる。晃石山と三峰山、谷倉山は栃木百名山。晃石山は太平山から関東平野を眼下にしながら岩舟町の岩船山まで縦走できてハイキングにもぴったり。出流ふれあいの森やかかしの里、つがの里では自然を満喫しながら③スポーツやバーベキューなどアウトドアを子供から大人までが楽しめる。古楽器演奏を楽しむことから始まった栃木[蔵の街]音楽祭も22年続いている。

熱気球

熱気球

ウインドサーフィン

ウインドサーフィン

スポーツ

スポーツ

食べる

 出流山満願寺の門前町はすべてそば屋といっても過言でないほど。10軒ほどが自慢の手打ちそばを提供する。5合、1升と注文により盆ざるに入れて出す豪快さにリピーターも多い。共同で寒ざらしそばを提供するなど研究も怠らない。そばは、市内各所もレベルが高い。ご当地B級グルメで、脚光を浴びているのが名物の①じゃがいも入りやきそば。やきそばにふかしたじゃがいもがマッチして味わいを広げる。「じゃがいも入り栃木やきそば会」に16店が加盟する。新たな味の研究の末に生まれた夕顔ラーメンは、栃木県の特産品「かんぴょう」を麺に練り込んだアイデア商品。14店が提供する。大平のぶどうライン沿いの観光ぶどう園は巨峰やデラウエア、キャンベルなど種類も多く、②袋かけ体験やブドウ狩りも楽しめる。藤岡の道の駅みかもを筆頭に都賀、大平などの③農産物直売所では新鮮な野菜や手作りまんじゅうなどが好評。藤岡のフナの甘露煮は贈答品などとして人気。

じゃがいも入りやきそば

じゃがいも入りやきそば

袋かけ体験やブドウ狩り

袋かけ体験やブドウ狩り

農産物直売所

農産物直売所

わが街自慢の逸品

歌麿の絵
 浮世絵師・喜多川歌麿の「鍾馗(しょうき)図」と「三福神の相撲図」が2010年夏、新たに発見された。江戸時代に豪商が浮世絵師を招いた縁で残されたもので市所蔵の歌麿の肉筆画は「女達磨図」と合わせて3点に。歌麿の肉筆画は40点ほどしかないと言われており、現存するものは少なく、3点の所蔵は世界唯一。

女達磨図 部分

女達磨図 部分

栃木ものしり百科

●とちぎ歳時記
3月 遊水地のヨシ焼き
4月 花祭り(太平山・つがの里ほか)
8月 蔵の街サマーフェスタ・百八灯流し
11月 とちぎ秋祭り(隔年開催)

渡良瀬遊水地

渡良瀬遊水地

●栃木のいわれ
 栃木の名称は神明宮社殿の屋根にある10本の千木(ちぎ)にちなんで「十千木」となったとされる。
●渡良瀬遊水地
 広さ33平方キロ。鉱毒を沈殿させる目的で谷中村を廃村にして建設。田中正造が村民と最後まで抵抗した。
●栃木市に関係する作家
 「路傍の石」などで知られる文豪山本有三は市出身で、文学碑が太平山にある。「女人平家」などの吉屋信子は新潟出身だが、少女時代を栃木市で過ごした。


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