真岡物語

肥沃な田園は日本一のイチゴ生産高をはじめ、稲作から園芸作物まで多彩な実りをもたらす。広い丘陵地帯は早くから工業団地開発の舞台になり、県内有数の県民公園に活用される。農工商の調和の取れた状況は、都市の住みよさランキングでは県内トップクラス、全国でも常に上位にランクされる。

見る

 桜の名所は数多く根本山には3000本が咲く。市中心部の①行屋川沿いも美しい。北真岡地域、桜町陣屋跡などでも桜まつりが開催される。県立の井頭公園は、梅やハナショウブ、ボタン、バラと1年を通して花が咲く。花ちょう遊館の大温室には熱帯や砂漠などの植物が展示され、鳥やチョウも舞う。県指定文化財の大前神社には高さ20メートルの②日本一の恵比寿様がある。行屋川沿いの海潮寺には大谷石をスレート状にしてふいた珍しい入母屋造りの山門がある。③高田山専修寺は鎌倉時代に、親鸞聖人が関東布教中に一堂を建てたのが始まり。国の重要文化財の御影堂や楼門など数々の文化財があり、境内は国指定文化財。長蓮寺には日本一の威容を誇る市指定文化財の弁財天半跏像があり、黄金色に輝く。中村八幡宮の秋の例大祭では流鏑馬神事が行われる。仏生寺は日光開山した勝道上人誕生の地で山門の両側の一対の大ケヤキは県指定天然記念物。

行屋川沿い

行屋川沿い

日本一の恵比寿様

日本一の恵比寿様

高田山専修寺

高田山専修寺

学ぶ

 国指定遺跡の①桜町陣屋跡は江戸時代、小田原藩に登用された二宮尊徳(金次郎)が藩ゆかりの桜町領の復興を命じられ、移り住んだ役所跡。報徳仕法による復興事業を展開、村人に「報徳訓」などの教えも説いた。二宮尊徳資料館は、尊徳の愛用品などを展示するとともに「一円融合」や「分度推譲」などの報徳思想を紹介する。木綿会館は江戸時代に隆盛を極めたものの、外国産に押されてほとんど途絶えていた②真岡もめんの復興を図り、商工会議所が中心となり、その拠点として建設。生産工程が見学できるほか、予約すれば、機織りや染色体験もできる。さむらい刀剣博物館は刀匠で研師の柳田律夫氏(刀匠銘・福津久)が創設、日本刀や甲冑など日本の武具を展示紹介する。③根本山自然観察センターは根本山の自然を標本やスライドで紹介、科学教育センターはプラネタリウムの鑑賞などができる。

桜町陣屋跡

桜町陣屋跡

真岡もめん

真岡もめん

根本山自然観察センター

根本山自然観察センター

 県の南東部に位置、東京から100キロ圏内で、都市計画や工業団地造成、ほ場整備が進み、農工商が調和した地方都市。近郊4町村が1954(昭和29)年に合併して真岡市となり、2009(平成21)年に南隣の二宮町と合併し、現在に至る。東に八溝山地、中央を五行川、西に鬼怒川が流れ自然環境にも恵まれる。鉄道は

夏祭りみこし風景

夏祭りみこし風景

第3セクターの真岡鐵道が縦断、道路は国道121号などの道路網に鬼怒テクノ通り(国道408号バイパス)や北関東自動車道が加わり、茨城、群馬、そして東北自動車道を経由して首都圏に直結する。古くから、芳賀地方の政治、経済、文化の中心。現在は5つの工業団地に約90社が操業するハイテク都市として発展を続ける。

遊ぶ

 井頭公園はスポーツとレクリエーションを楽しめる県民公園。流れるプールや波のプールなど8つのプールがある①一万人プール(2011年は休業)は県内最大規模。サイクリングやテニスコート、野球場、フィールドアスレチックなどのスポーツ施設も。ボートや釣りも楽しめる。広大な園内は四季を通じて散策にもうってつけ。②真岡観光リス村はシマリスや台湾リス、ウサギ、プレーリードッグなどの小動物との触れ合いを大切にする。五行川サイクリングコースは桜の季節には堤の桜を見物しながら走れる。③真岡井頭温泉は弱アルカリ性温泉で、大浴場や露天風呂、薬湯などのスパゾーンとドイツ型温浴システムのバーデゾーンに分かれる。バーデゾーンではアクアストレッチ教室もある。宿泊施設のチャットパレスも併設する。北関東自動車道の真岡IC近くのスパリゾート・フジはナトリウム塩化物温泉の日帰り入浴施設で岩盤浴やドクターフィッシュも体験できる。

一万人プール

一万人プール

真岡観光リス村

真岡観光リス村

真岡井頭温泉

真岡井頭温泉

食べる

 栃木県は①イチゴの生産高全国一だが、市レベルでは、真岡市が作付面積約180ヘクタール、年間の集荷量約8900トン、産出額約80億円と2位以下を大きく離して日本一。約630軒の農家が携わる。地元でも新鮮なものが手にできる。井頭公園東にある、②あぐ里っ娘ではイチゴ狩りができる。季節には「いちごまつり」を開催して盛り上げる。③道の駅にのみやではイチゴを使った商品が多く、中でも「とちひめジェラート」は人気の逸品。ほかに市内各所の農産物直売所で、地元産の新鮮な野菜などともに扱っている。古くから落花生の産地としても有名で、栽培する農家や製品を扱う商店も多い。市は昭和40年代に栃木県でメロン栽培に初めて取り組んだ。プリンスメロンが主流だったが、現在はネット系メロンが約8ヘクタールで栽培されている。鬼怒川の石法寺の観光ヤナではアユ料理が味わえる。

イチゴ

イチゴ

あぐ里っ娘

あぐ里っ娘

道の駅にのみや

道の駅にのみや

ふるさと散歩

【歴史】真岡鐡道のSL車両
 茨城県筑西市の下館駅と茂木駅をつなぐ真岡鐡道は週末などにSLを運行して人気が高い。
 SLは2両。C11型は1946(昭和21)年製造。新潟県阿賀野市で保存されていたものを1998(平成10)年に譲り受けた。C12型は1933(昭和8)年製で福島県川俣町の保存品を1991(平成3)年に譲り受け、修理した。

道の駅にのみや

 ともにJRにも貸し出されている。C11は東日本大震災で壊滅的被害を受けた石巻線を走ったこともある。C12は真岡市に「ふるさと」川俣町から避難中の町民を乗せて再会を果たした。

わが街自慢の逸品

岡部記念館金鈴荘
 佐野発祥のご当地グルメ。蒸したジャガイモを串刺しにして、パン粉をつけて揚げる。特製ソースをかけて食べる。ホクホク感と甘すぎないソースが懐かしい味を思い起こさせる。それぞれの店が、それぞれの味を売り物にする。マップを手に食べ比べして自分にあった1本を探すのも楽しい。

岡部記念館金鈴荘

真岡ものしり百科

●もおか歳時記
4月 桜まつり
7月 夏祭り
8月 もおか木綿踊り 灯ろう流し 尊徳夏まつり
9月 中村八幡宮例大祭
10月 井頭マラソン大会
11月 大産業祭

SLの形をしている真岡駅舎

SLの形をしている真岡駅舎

●住みよさランキング
 民間の経済誌・東洋経済が全国の全都市を対象に、安全性、利便性、快適性などの各種社会経済指標を算出している。市は2010年版では29位、2009年は13位、08年は基準が異なるが堂々の3位となっている。
●真岡駅
 真岡鐵道のシンボルであるSLの形をしている。1997(平成9)年に完成。3階は地域情報の受発信の拠点施設の市情報センターで、パソコンなどが設置され、各種情報を入手できる。
●久保講堂
 国登録有形文化財。1938(昭和13)年に久保六平氏が80歳の記念に真岡小の講堂として寄贈、学術的な価値が認めら1986(昭和61)年に市民会館東に移築された。
●出身者+縁の人物
 小田茜(タレント)/上野優作(栃木SCコーチ)/ジャイアント白田(フードファイター)/ピストン堀口(プロボクサー)/勝道上人(日光開山の祖)
●姉妹都市・友好都市
 グレンドーラ市(アメリカ)/斗六市(台湾)


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