塩谷町長インタビュー 手塚 功一 町長

「水」を活性化に活用

山林地帯が6割を占める塩谷町。その森林からもたらされるかけがえのない恵みが、名水の「尚仁沢湧水」だ。「水」をキーワードにまちおこしが進む。船生地区には道の駅の建設が予定。地域活性化の起爆剤となることが期待されている。

身の丈に合う自立したまちを模索
■町の概要をご紹介いただければと思います。
手塚功一町長
手塚功一町長

 山林が60%を占める農村地帯です。水と空気と緑をまちづくりのキャッチテーマにしています。財政的に裕福ではありませんので、高望みせず、しかしその中でも安全、安心なまちにするために、できるかぎり町民の要望に応えようとがんばっています。合併が破綻しましたので、地域間のコミュニケーションを大事にしながら、自立したまちを目指しています。

■特に自慢したい点、セールスポイントはいかがでしょうか。

 何といっても、まず昭和60年に環境庁から認定を受けた名水百選「尚仁沢湧水」ですね。日量65000トン、水温は11℃前後を四季を通じて一定して湧出しています。ウイスキーや焼酎の水割やコーヒー、ご飯を炊くのにもいい。平成9年には利き水日本一に選ばれました。今、ペットボトルで売り出していますが、生産量が多くないので、新たな企業が1日約10万本近く生産できるラインを建設する準備を進めています。町も販路拡大に協力していきます。日本はもとより、水に対して将来的な不安を持っている国は多いので、外国にも可能性はあるのではないかと思います。また、尚仁沢近くにあるイヌブナ林は、平成18年、天然記念物に指定され、水源の森百選の1つにも認定されました。

船生地区の道の駅を地域の拠点に
■具体的にまちづくりで展開しようとお考えのことはありますか。

 船生地区の旧船生中学校の跡地に道の駅の申請をします。本町は船村徹先生や木下龍太郎先生、画家の和気史郎先生、高橋美奈子先生や書家の柿沼翠流先生などの生誕の地ですので、ここに交流館のようなものをつくりたい。さらに、農産物センターや地場のもので作った郷土料理を食べられる施設などを設けて、この地区の拠点になる場所にしたいと考えています。商工会、地域のコミュニティー推進協議会、JAなどの協力を得て、地元の人たちが多少なりとも利益を上げられるような体制をつくります。平成24年4月ごろ一部オープンを目指しています。
 合併が破綻した後、事業を事前評価にかけて精査し、平成17年から5カ年で30億円の歳出削減をしました。基本として45億円以上の当初予算は組んでいません。公債比率が平成19年度が15.2%だったのが、21年度には12.9%まで下がりました。経常収支率も県内で2番目に改善されています。自主財源は少ないのですが、必要不可欠なことに絞っていけば、そんなには支出も膨らみません。職員数も21年度で約155人の計画を立てたましたが、現実にはもう35人しかいません。私以下三役も報酬カットするなどして支出を抑えています。平成16年には78億円くらいあった公債は、22年度は59億円くらいにまで減りました。

企業誘致とともに収入上がる農業を追求
■町民を元気にするため、ほかに力を入れていることはありますか
塩谷町庁舎
塩谷町庁舎

 まちを元気にするには、企業を誘致することが一番だと思っています。塩谷町は決して条件が悪いわけではありません。矢板ICや上河内スマートICに近く、国道も走っている。土地も安いし、水だって豊富です。しかし、印象が薄い町なんですね。さらにPRしなければなりません。特産品としては、県内1の生産を誇る「スプレー菊」があります。収入が上がるため、後継者がしっかりしています。また、上平ポケットパークの農産物センターでは、地元農家の生産する新鮮で安全安心な農産物が評判で、売れ行きが好調です。売れるから皆さん一生懸命に作り、生きがいにもなっています。収入が上がる農業を考えていく必要があります。これらが高齢者の医療費削減にもつながります。県が提唱している食の回廊の1つ「水街道」がありますので、PRも必要でしょうし、東京のスカイツリーに出店予定のアンテナショップも効果は上がると思います。

森林を整備して環境を守る
■自然を生かしてということですね。

 60%が山ですから森林を整備していかなければなりません。人工林が多くなって保水能力が低いので、土砂崩れが心配です。森林整備は環境の保全につながります。間伐材から油をとろうという研究をしている企業があり、これが実用化すれば、新たな動きが出てくるでしょう。

■中小企業、大企業に対する支援策をお話しください。

 進出してくれる企業には固定資産税を3年間免除します。また、町民を元気にするために、本町の商工会が県内では初めて実施した「プレミア付商品券」があります。すぐに完売する人気です。商品券の使用もスーパーに集中するのではと思いましたが、20%くらいにとどまりました。多くが町内の商店で使われ、効果は大きいと思います。

切手でバードウォッチング

ヤンバルクイナ(1983年発行 日本)
 毎年、数多くの鳥切手が発行されますが、それらの中には鳥好きから見て「?」と思う切手が稀に発行されることがあります。切手のデザイナーは必ずしも鳥の専門家ではないので間違ったまま発行されてしまうわけです。
 1983(昭和58)年に日本が発行した特殊鳥類シリーズ第一集にヤンバルクイナがデザインされています。この切手では右脚を曲げ、指先をまっすぐ伸ばした姿が描かれています。

ヤンバルクイナ

 しかし、鳥の指先は脚を曲げた時に連動して曲がるような構造になっているので、このように指先を伸ばした姿にはなりません。


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