縁談・見合い

色打掛

 和装のお色直しに用いられるのが色打掛です。自分の個性を発揮するのに最高のもの、披露宴との調和も考慮しましょう。
 色打掛とは白以外の色を用いた打掛のことを言います。赤や金などの華やかな色彩が特徴です。また、松竹梅や鶴亀といったおめでたい華麗な刺繍や織り模様で仕上げられています。挙式は白無垢で行い、披露宴では色打掛に着替えるのが一般的です。
 歴史的には、武家社会の習わしが始まりといわれます。資料によれば「嫁ぎ先の色に染まる」という意味を持つ白無垢で嫁ぎ、嫁ぎ先が用意した色味のある小袖に着替え、「婚家の人になった」と考えられました。

写真提供:二荒山会館

写真提供:二荒山会館

お見合いは伴侶を探す合理的な方法です

 多くの人にとって人生で最も重要な出来事である結婚。現代では恋愛結婚が主流ではありますが、環境などから出会いの機会が少ない場合などには、伴侶を選ぶ手段としては古くからある見合いという方法もあります。あらかじめ当人より希望する条件などを伝えたうえで、紹介人は最適と思われる相手を選び紹介します。
 具体的には紹介業などビジネスとして運営する機関に加入し、紹介してもらうという方法のほか、知人など個人から紹介してもらうという方法もあります。特に個人に仲介を依頼する場合には、仲介人にも紹介相手に対しても礼を失しないよう社会人としてのマナーをわきまえ、縁談の成立・不成立にかかわらず感謝の念をもって接することが必要です。
 それでは見合いから縁談成立(婚約)までのプロセスについて解説します。

縁談を第三者に依頼する

 環境などの理由により本人が結婚相手を見つけにくい場合、第三者に紹介してもらう方法があります。この場合、あらかじめ相手の家庭環境や学歴、職業など

写真提供:日本蘭科植物園

写真提供:日本蘭科植物園

写真提供:日本蘭科植物園

写真提供:日本蘭科植物園

写真提供:田村写真館

写真提供:田村写真館

が分かることや、結婚が前提であるためスムーズに進めやすいなど合理的な面があります。
 紹介業などの機関に加入して紹介を受けるほか、知人などに仲介を依頼するという方法もありますが、その場合は当人や家族をよく知り、人生経験豊富で社会的信用も高い人物に依頼するとよいでしょう。

お見合いの準備

 お見合いには履歴書、身上書、家族書などの書類と当人の写真が必要です。市販の履歴書フォーマットは避け、白い便せんに自筆で記入します。身上書と家族書は一緒にすることもできます。
 履歴書には住所、氏名、年齢、略歴、職業、資格を記載。身上書には身長、体重、健康状態、趣味や特技、その他特に追記する事項や条件などを記載します。
 家族書には両親、兄弟姉妹など二親等内の家族の氏名、年齢、出身校や職業を記入します。亡くなった家族は死亡時の年月と理由を記載します。
 なお、離婚歴の有無や養子の希望、家業の相続の希望などはあらかじめ依頼者に伝える必要がありますが、身上書には記入しないほうがいい場合もあります。
 写真は全身が入った写真のほか、当人らしさが伝わるスナップ写真を加えてもかまいませんが、他人も一緒に写っている写真は避けます。

見合いの日取りと場所の決定

 当人同士がリラックスして面談できる場所が望まれます。また、双方が都合を合わせやすい場所や日時を配慮します。日取りは仕事の都合などもあるため休日が望ましいと思われます。夕方4時ごろの設定にするとその後食事に運びやすくなります。

服装とマナー

 お見合いの席では上品かつ清潔感のある服装を心がけます。自分らしさが表現されることは大切ですが、肌の露出が多すぎたりカジュアルな服装では相手に対して失礼です。また、会う場所や時間帯、相手とのバランスを合わせることも大切ですが、分からない場合は仲介者に相談します。
 当日は遅刻は厳禁です。また、携帯電話の通話やたばこも初対面の相手に対し失礼なので避けます。携帯電話は電源を切るかマナーモードにします。
 話の内容は、自慢話や相手が分からない専門分野の話や仕事の話ばかりするのは避けます。また、質問攻めも相手に失礼です。自分の話ばかりせず、相手の話もよく聞くよう心がけましょう。

仲介人の役割

 紹介される当人にとって人生の重要事である結婚相手の紹介ですから、安請け合いはせず、義務や義理ですることも避けます。心から力になってあげたいと思える場合にのみ引き受けましょう。
 また、当人を実際以上に褒めたり隠し事をすると後々問題になり、破談や信用の失墜につながりますので慎みましょう。第三者の目で公平な姿勢で誠実に対応します。

結婚相談所の利用

 大別すると、民間企業が運営している結婚相談所(斡旋所)と公益法人や自治体などの公的機関が運営している相談所があります。
 相談所のメリットは、仲介所を通して希望する条件を指定することができ、直接本人に言いづらいことも遠慮なく言えることです。民間企業のサービスの場合、個人情報の管理やトラブルへの対処がしっかりしていることが重要です。実績と社会的信用のある相談所を選びましょう。

費用とお礼

 見合いでかかった費用は両家で折半します。しかし、見合いの場で両家が折半して支払うのは見苦しいので、あらかじめ仲介者に渡しておくか、仲介者がいったん立て替え、後日改めてお礼に伺ったときに実費よりいくらか多めの額を渡すのがマナーです。前もって仲介者と両家で確認しておきましょう。
 この費用とは別に仲介者にはお礼をします。額面は2〜4万円程度の現金か商品券が一般的です。

返事の時期とマナー

 見合いの後は、その日のうちか翌日中には仲介者へのお礼の連絡を入れます。電話でもかまいませんが、手紙ですとより丁寧です。
 見合い結果の返事はなるべく早いほうがよく、できれば1週間以内には返事しましょう。
 交際をしてみたいと思った場合には仲介者にその旨をはっきりと伝えます。断る時は相手を気遣い、「先方がご立派な方なので自分にはもったいない」などというように、自分のほうに問題がある言い方をし、相手の非を理由にする言い方は慎みます。
 こちらが交際をしたいと思ったが相手側から断られた場合には、理由をしつこく聞かないことがマナーです。今後も引き続き仲介者に縁談の紹介をお願いする場合にはその旨を伝えます。

見合い後に交際する場合

 見合いをしてもすぐに結論が出ず、結婚を前提とする交際を進めてみたい場合には仲介者にその旨を伝えます。
 交際の段取りは本人同士で行いますが、仲介人には経過をきちんと報告することが必要です。恋人同士ではないので、交際中にかかる費用は折半し、高額な贈り物や外泊、深夜の帰宅はしないのがマナーです。
 交際期間はあまり長引かせず、見合いから3カ月以内には結論を出すのが望ましいでしょう。交際の上、結果的に断る場合には当事者同士で話し合い、お互い誠実に対処します。仲介者へは報告後にお礼にうかがい、相手の書類(家族書や写真など)を返却します。

婚約を申し入れる

 双方結婚の意思が固まったら婚約へ縁談・見合いと進みます。二人で仲介者を訪ね、報告とお礼を伝えます(お礼については前項参照)。
 改めて親同士も顔合わせを行い、婚約または結納、結婚式の準備に移ります。
 仲介者はそのまま仲人、媒酌人となるのが一般的ですが、結婚式での仲人を別にたてる場合もあります。


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