西方町長インタビュー 古澤 悦夫 町長

町のよさ残して合併へ

西方町はきれいな水に恵まれ、そこからもたらされる米やイチゴ、ニラなどの農産物もおいしいと評判だ。2011(平成23)年10月には栃木市との合併が控えている。今ある町のよさをきちんと残しながら、町民協働の精神で新しい時代に挑戦する。

小倉堰から水の恵みおいしい米に
■まず町全体のご紹介をお願いします。
古澤悦夫町長
古澤悦夫町長

 県の南西部、関東平野の端に位置していて、西方山に登れば関東平野が一望できます。産業は昔から農業が主体です。東西に長くて南北が短い地形で人口は6700人余り。県内で最も小さい自治体です。昭和30年に旧西方村と旧真名子村が合併して西方村になり、平成6年に西方町となりました。現在は、平成23年10月1日の栃木市との合併に向けて準備作業を進めています。

■町の誇りとなるものを挙げていただけますか。

 まず、小倉堰があります。思川をせき止めて約700町歩の西方の水田が、毎秒3.3トンを取水できる堰です。ダムをつくるとすると、毎秒1トンの水を確保するのに100億円かかるといわれますから、ざっと330億円の価値があるわけです。西方の宝だと思っています。この堰から取水する水がきれいなことから、できる米もおいしい。東京にすし米として運ばれていったり、農家の庭先でほとんどが売れてしまうという状況です。水のおいしさでいえば、道の駅ができて分かったことですが、そこに引いてある水道水がおいしいとよそから来た人たちに大変好評です。最低限の塩素滅菌しか必要ないので自然の水が飲めるのです。
 宇都宮西中核工業団地も自慢できるものですね。普通の工業団地と違って、工場地帯そのものが公園になっているインダストリアルパーク、つまり「工場公園」なのです。立地条件もいいので、分譲が完了すれば、地元も潤うものと思っています。
 ほかに産業面で自慢できるものといえばイチゴとニラですね。イチゴの生産者は現在、100戸ほどですが、1戸当たりの生産高は日本一だと思っています。地味がいいらしく、道の駅に出してもおいしいと評判を呼んでいます。ニラも特産品で、町内で50人ほどが作っています。特に冬場のニラはとても味がいいのです。

町民の力を合わせ今ある歴史・文化に磨き
■当面のまちづくりで考えていることはどんなところでしょうか。また、今後の施策を挙げていただけますか。

 合併という状況にあっても、町民の願いは西方のよさを残してほしいということです。ですから、今あるものを大切にし、西方のいいところに磨きをかける行政を推進していきたいと考えています。
 具体的には、例えば真名子地区には八百比丘尼伝説があり、お堂や八百比丘尼のかわいい像もあるので、これらを後世にきちんと伝えられるようにしていきたいと思います。また、中世の山城だった西方城の城址もあります。広くて輪郭もよく残っているので、城山散策ができるような整備活動を、町でも支援していくつもりです。ほかにも金崎の桜などもあります。栃木市との合併を進めながら、西方のよさに磨きをかける、町民協働のまちづくりに取り組んでいきたいと考えています。
 もう1つは、6、7年かけて編纂を進めてきた町史が間もなく完成します。ちょうど西方の幕を閉じる時に町史ができるということになります。

道の駅を活用して地域の元気につなげる
■町民や少し視野を広げて栃木県全体を元気にするため、西方町はどんな役割が果たせるとお考えですか。
西方町庁舎
西方町庁舎

 「道の駅にしかた」が平成21年11月にオープンしました。農産物直売所には、地元だけでなく周辺の市町の農家も出品しています。生産から加工、販売までを行う「農業の6次産業化」が元気の素になります。道の駅には物産館が完成し、ここに県内の物産を集めて販売しています。道の駅に来ていただいた方々のおもてなしをしながら、地元の活性化を図っています。
 また、西方は昔から町民総合大学など生涯学習が盛んでした。その継続でゼミナールなどに取り組み、「生涯学習のまち」の宣言もしました。心に潤いを持ち、仕事以外にも元気を出してもらうことにつながっていると思います。さまざまなコースがあり、ゼミナールやイベントなど、町外からの参加も多いんですよ。

工業団地立地企業に各種の優遇策
■町内企業に対する支援策はいかがですか。

 小さな町の割には商工会への助成金は多いと思います。そのほか、工業団地の立地企業に対する優遇措置、例えば固定資産税の軽減、それに見合った立地奨励金を出すなどしています。
 建設業が元気がありませんので、合併の見通しがついてきたところで、これまで財政引き締めのためできなかった道路の改修、学校の耐震化などに力を入れ、それらも支援につながればと思っています。

切手でバードウォッチング

カワセミ(1975年発行 デンマーク)
 カワセミは光沢のある美しい羽色と清流のシンボルとしての人気が高く、各国の切手にデザインされています。切手を集めてみると、カワセミとその仲間が世界中に分布していることがよくわかります。
 カワセミは、翼と頭が暗緑色で背中は

カワセミ

空色、胸から腹は橙色ととてもカラフルな鳥であるため、多色刷りの切手が多い中で、1975(昭和50)年にデンマークから発行されたカワセミの切手は、背景もなく黒インク1色で印刷されたシンプルなデザインの美しい切手に仕上がっています。


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