小山物語

水と緑と大地の豊かな自然環境に恵まれる小山市は、2005(平成17)年に人口が16万人を突破し、県内第2の都市となった。江戸幕府の成立の道筋をつけた「小山評定」が開かれた日本の歴史を変えたまち、「開運のまち」だ。これこそが小山市の最大のブランドである。

見る

 ①琵琶塚古墳は、6世紀前半に築造されたとみられ全長約123メートル、高さは後円部で約11メートルの県内最大級の前方後円墳。墳上に摩利支尊が祭られている前方後円墳・摩利支天塚古墳は、5~6世紀初めのころの築造。大和政権の支配体制の中で、下毛野国を最初に統括した首長が被葬者だと考えられている。小山氏ゆかりの遺跡も多い。思川が見渡せる城山公園は、中世小山氏の居城跡・②祇園城跡。小山義政の乱(1380~1382年)の後に再興された小山氏の居城となった。同城の南、思川下流の左岸台地に位置する鷲城跡は、義政の乱の激戦地だった。祇園城の一角にある天翁院は小山氏の菩提寺。約5万平方メートルの境内の奥まった場所に③小山氏墓所があり、累代の墓石が横一列に並ぶ。「昭和の岩窟王」と呼ばれた吉田石松翁の碑。
1913(大正29)年に無実の罪で投獄されたが、終始一貫して身の潔白を主張、1963(昭和38)年2月28日に雪せつえん冤の目的を遂げる。

琵琶塚古墳

琵琶塚古墳

祇園城跡

祇園城跡

小山氏墓所

小山氏墓所

学ぶ

 小山市文書館は、1930(昭和5)年に裁判所の出張所として建築された建物。本館と石蔵、作業室がある。市に関する歴史、文化的に価値ある公文書や古文書、地図、資料を整理、保存し、公開している。国史跡寺野東遺跡は、2004(平成16)年10月に①おやま縄文まつりの広場として開園。環状盛土遺構や水場遺構、石敷台状遺構を復元。ガイダンス施設では、遺物や模型、映像などを通して遺跡について学べる。②小山市立博物館の常設展示のテーマは「小山の文化のあゆみ」。郷土の姿を約320点の実物・複製資料や写真パネル、模型などにより歴史的に解明している。また同博物館北側にある国の史跡に指定されている乙女不動原瓦窯跡は、奈良時代に下野薬師寺はじめ重要な寺院に瓦を供給していた。③車屋美術館は思川の乙女河岸で肥料問屋「車屋」を営んでいた豪商・小川家を改装、2009(平成21)年に開館、主屋や庭園なども公開している。

おやま縄文まつりの広場

おやま縄文まつりの広場

小山市立博物館

小山市立博物館

車屋美術館

車屋美術館

 県南部に位置し、東京圏からは北に約60キロ、県都宇都宮市からは南に約30キロの距離にある。関東平野のほぼ中央でほとんど起伏がない。市中央を思川、東部には鬼怒川、西部には巴波川が流れる。思川東部は台地で市街地や畑が広がり、鬼怒川や巴波川の両岸は低地で美しい水田が広がっている。南北のJR宇都宮

小山市の全景

小山市の全景

線と東北新幹線を軸に、東からJR水戸線、西からJR両毛線が小山駅で連結し、道路は国道4号と新4号国道、国道50号の広域幹線道路が市内を貫通する交通の要衝。人口や世帯数は一貫して増加傾向にあり、県内第2位の都市。気候は、おおむね温暖で住みよい。冬季の乾燥した北西の強い季節風「おろし」や夏季の激しい雷は特徴的な風物のひとつとなっている。

遊ぶ

 ①小山総合公園は、市のほぼ中央部に位置し、市のシンボルである思川に隣接している。南側の県立県南体育館・温水プール館と北側の森のフォーラムとよばれる円形広場が、市道を跨いでふれあい橋で結ばれている。広大な芝生の森のはらっぱ、バーベキュー広場、わんぱく広場などがあり、貸し自転車などのレクリエーションも楽しめる。ほたるの館では毎夏ほたるの館祭が行われている。ふれあい健康センターは、入浴施設や通所施設を備えた高齢者にとって快適で充実した時間を過ごせる拠点。学習室や教養娯楽室、ゲートボール場などがあり、ヨガ、社交ダンス、太極拳、フラダンスなどの講座も開催される。②旧思川は、思川の河川改修事業で残された思川の一部。南端のなまいふるさと公園には思川桜と黒松が植樹され、レンタサイクルも設置されている。③羽川大沼は、用水補給のため池。1994(平成6)年に市民の憩いの場、安らぎの場として再整備され2010(平成22)年、国の「ため池百選」に選定された。

小山総合公園

小山総合公園

旧思川

旧思川

羽川大沼

羽川大沼

食べる

 友好交流都市・オーストラリア・ケアンズ風の建物①道の駅思川。その中の「小山物語館」では、温暖な気候と豊かな自然環境を活かした地元農家が生産した農産物を直売している。県下一の生産量を誇るハクサイ、レタス、キュウリ、トマトなど種類は豊富。また生産量日本一のハトムギを使った加工品も多い。はとむぎうどんやはとむぎせんべい、はとむぎのジェラート、はとむぎ茶、はとむぎ焼酎「小山物語」など。県下第1位の肥育頭数と出荷頭数を誇る②小山の黒毛和牛。全国トップレベルの品質の和牛を提供し、市は、「おやま和牛ブランド化」事業を推進。流通体制を確立し、消費拡大、活性化を目指して、市内の飲食店や精肉店で提供する。市は県内屈指の小麦の生産量を誇り、「開運小山うどん」は、小山お勧めのB級グルメ。また、上質な米を産出し、はるか日光連山からの伏流水が湧き出す、水に恵まれた土地で、江戸時代から酒造りも盛ん。市内の酒蔵4社がそれぞれ仕込んだ地酒を統一ブランド③小山評定として販売している。

道の駅思川

道の駅思川

小山の黒毛和牛

小山の黒毛和牛

小山評定

小山評定

ふるさと散歩

【地域活動】開運小山うどん会
 2011(平成23)年5月、市内のうどん店24店が集まり「開運小山うどん会」が結成された。
 同市はうどんの原材料の小麦の生産量が県内でトップクラス。このため、おやまブランドを充実させようと生産・販売業者などで「うどんのまち小山創生推進プロジェクト」(委員長・大久保寿夫市

道の駅思川

長)を発足させ、「うどんのまち小山」を全国に発信する準備を進めてきた。統一メニューの研究を進めるなど意気盛ん。地粉の米粉を練りこんだ麺などオリジナルの新メニューも完成させる予定。

わが街自慢の逸品

●かんぴょううどん
 栃木県の特産品のかんぴょうを原料に、小山商工会議所が中心となって産官学連携で開発した。かんぴょうは健康的な食材としても注目されている。滑らかでツルツルした舌ざわりと、コシが強くもちもち感がある。
●結城紬
 国の重要無形文化財。2010年11月、ユネスコ無形文化遺産に登録された。すべての工程が手作業で行われ、糸を手で紡ぎ、絣かすりしばりによって柄を付け、地じ ばた機で織り上げられる。小山市や下野市、茨城県結城市で生産されているが、着物ばなれもあり生産量、生産者は年々減少している。

かんぴょううどん
結城紬

小山ものしり百科

●おやま歳時記
1月第4土曜日 花桶かつぎ
3月第2日曜日 篠塚稲荷神社初午祭
3月~4月 さくらまつり
4月第2土、日 血方神社稚児神楽
5月5日 蛇まつり
7月第3日 小山祇園祭

蛇まつり

蛇まつり

●小山評定ふるさと大使
 文化、芸術、ブランド等を全国に普及広報するため、市にゆかりのある著名な人に委嘱した。山田洋次監督や三田佳子さんなど2010(平成22)年現在、34人が委託されている。
●姉妹・友好都市
 本渓市(中国)/ケアンズ市(オーストラリア)/紹興市(中国)


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