壬生物語

風光明媚な自然の中に、静かに横たわる古墳群、城下、宿場町としてにぎわい、蘭学のまちとして文教、医学を先導し、多くの偉人を育んだ風土が宿る。先人たちの心を受け継ぎ、農工商に学を加えた調和ある発展を目標に「活力と創意が生きる希望に満ちたまち」を目指し、着実な歩みを進める。

見る

 壬生城の本丸跡に整備した①城址公園。「二の丸門」を復元、石垣や堀の名残を再現し、噴水を設置、訪れる人の憩いの場となっている。とちぎ景勝百景の東雲公園は、黒川沿いの美しい公園。両岸には約250本の桜が植えられて花見の名所。吊り橋の②東雲さくら橋は、黒川両岸を散策するのに便利で、橋からの眺望は最高。上稲葉にある③親抱きの松。南北朝のころ、娘を訪ねて、稲葉まで来た母が病に倒れ、知らせで駆けつけた娘も、悲しみのあまり病になり、母の後を追うように死んでしまう。村人が母娘を弔うため墓を築き、娘の墓に植えた松が、母の墓に植えた松を抱くように生い茂ったという言い伝えがある。富士山古墳は、栃木県で最大の円墳。墳丘は直径86メートルの墳丘第一段の上に直径55メートルの第二段が載っている。高さ約12メートル。墳頂部から出土した家形埴輪は高さが150センチ以上で国内でも最大級の埴輪だ。

城址公園

城址公園

東雲さくら橋

東雲さくら橋

親抱きの松

親抱きの松

学ぶ

 城址公園内にある①歴史民俗資料館は、壬生城址という歴史的な環境の中に立地している。常設展示は、特色ある歴史と文化を3つのコーナーで展示。また、毎年〟みぶ〟に関わるユニークな企画展を開催。訪れるたびに新しい発見のある博物館を目指している。②壬生寺は天台宗を大成させた慈覚大師円仁ゆかりの寺。最後の遣唐僧である円仁が書いた「入唐求法巡礼行記」は、マルコポーロの「東方見聞録」、西遊記で知られる三蔵法師(玄奘三蔵)の「大唐西域記」とともに三大旅行記として高い評価を受けている。正面に大師堂があり、堂の西に産湯の井戸がある。また境内の大イチョウは県指定天然記念物。③常楽寺は、1462(寛正3)年、壬生初代城主壬生筑後守胤業公が、寺領を寄進し創建した。江戸中期から、壬生城主・鳥居家の菩提寺となり、壬生家歴代の墓、鳥居家累代、蘭学医・斎藤玄昌(二宮尊徳先生の主治医)の墓もある。

歴史民俗資料館

歴史民俗資料館

壬生寺

壬生寺

常楽寺

常楽寺

 東京から90キロ、県の県央南部、宇都宮市の南隣に位置し、地形はほぼ平坦。町の西境を思川、中央部を黒川、東を姿川が流れる。恵まれた自然を背景に、原始・古代の遺跡が多く確認され、「下毛野国」の中心地であったことを
示す。1462(寛正3)年、壬生氏によって壬生城が築かれ、城下町、日光街道の

壬生町全景

壬生町全景

宿場町として、また黒川を利用した河川交通の要衝として栄えた。廃藩置県により壬生県が誕生し、町村制施行や合併を経て現在の壬生町になった。東武宇都宮線おもちゃのまち駅の東におもちゃ団地を誘致、同駅西に獨協医科大学開校、獨協医科大学病院開院と県内の町ではトップの人口の町となり、さらに発展を続ける。

遊ぶ

 「21世紀を担う子どもたちへの贈り物」をコンセプトにしたとちぎわんぱく公園。シャボン玉のからくり時計など楽しさいっぱいの①こどもの城。科学の原理と人間の生理を利用した不思議な現象を集めた「ふしぎの船」、おまわりさんやお買い物などごっこ遊びのできるまちなどの施設がある。②おもちゃ博物館は、1階は、見て・聞いて・触って体験するおもちゃのワンダーランドのわくわく夢広場。2階は、玩具の歴史や多数の玩具を展示、鉄道模型の部屋にはNゲージ・HOゲージのジオラマがあり、コースや車両の貸し出しもある。3階は、展望室。壬生総合公園の芝生広場ではアスレチック遊具が楽しめる。夏季には③黒川の里ふれあいプールもおもしろい。流水プールや長さ130メートルのアドベンチャースライダーなど4種類のスライダープールを備える。嘉陽が丘ふれあい広場はキャンプ場や宿泊研修施設、天体望遠鏡施設などで、アウトドア気分も味わえる。東雲公園内のふれあい交流館には岩風呂と檜風呂がある。

こどもの城

こどもの城

おもちゃ博物館

おもちゃ博物館

黒川の里ふれあいプール

黒川の里ふれあいプール

食べる

 ①かんぴょうは町の特産物。1712年(正徳2年)水口藩主であった鳥居忠英が国替で壬生藩主となり、壬生に伝えたという。ご当地B級グルメとして商工会青年部がかんぴょうの卵とじを改良して「みぶのカミナリ汁」を開発、普及を図る。また町は、主要農産物を地域ブランドとして確立するために、町内でとれる野菜をみぶの妖精と名づけて消費者へPRしている。2009年度に、町出身で「耳をすませば」や「猫の恩返し」の原作者・漫画家柊あおいさんが②キャラクターを作製。野菜の妖精をイメージ、壬生の壬「ミ」と野菜の菜「ナ」から「ミーナ」と名づけた。粒が大きく、甘いイチゴの代表格・③とちおとめはじめトマトやニラなど、首都圏や東北向けにミーナちゃんを箱や包装に使用し売り出している。道の駅みぶでは、新鮮野菜のほか苺ソフトクリームなどが人気。同駅のレストラン「みぶのおばちゃんち」の手作りかき揚げそばやわんぱくカレーも人気商品。

かんぴょう

かんぴょう

キャラクター

キャラクター

とちおとめ

とちおとめ

ふるさと散歩

【地域活動】自成館
 2010(平成22)年秋に町が中心部の蘭学通り沿いに人々の交流拠点として、展示・休憩スペースを備えて開設した。城下町、宿場町として栄えた町の歴史を意識した蔵造り風の外観。約23平方メートルの休憩スペースのほか、トイレや駐車場を備える。
 名称は、かつて壬生藩の江戸藩邸にあった藩校の自成堂にちなんで付けられた。町民の絵画展示などのほか、藩で盛

壬生町おもちゃ博物館

んだった論語素読の論語塾が開催されることもある。
 蘭学通りは町中心部の県道小山壬生線の約1キロ。電線地中化など整備され、多くの商店が並ぶ。秋には蘭学通りまつりも開催されてにぎわう。

わが街自慢の逸品

地名「おもちゃのまち」
 東武宇都宮線おもちゃのまち駅周辺を指す。中島飛行機の付設飛行場だった場所に、1964(昭和39)年から東京の玩具メーカーが集団で工場を建設。輸出玩具団地をつくった。翌年、新駅が作られ、夢のある駅にという地元の思いから「おもちゃのまち駅」と名付けられた。
駅名にちなんで住居表示が実施され正式地名になった。

地名「おもちゃのまち」

壬生ものしり百科

●みぶ歳時記
1月3日、4日 おもちゃ博物館特別開館
3月下旬~4月上旬 しののめ花まつり
4月中旬の日曜 壬生円仁大師「火渡りの儀」
7月7日から16日 八坂祭
12月上旬 おもちゃ団地チャリティーバザール
●鳥居忱
 「箱根の山は天下の剣…」で始まる作曲家・滝廉太郎の代表作の一つ「箱根八里」の作詞者。中学唱歌の制作にあたって誕生した名曲。

鳥居忱

鳥居忱

●太田胃散
 創業者は、壬生藩士・太田信義。オランダ人医師ボードウィンの処方薬を服したところ持病の胃病が治癒。緒方拙斎に処方を懇願し胃腸薬を製造、後に太田胃散となった。
●女性看護人
 日本で初めて女性が看護人として活躍した町。戊辰戦争の中、壬生城内に設置された土佐藩の負傷兵を治療する官軍の野戦病院に採用した。
●壬生出身の著名人+縁の人物
 斉藤和義(シンガーソングライター)/宇井純(環境学者)


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