振り袖を着たときに気をつけること

 成人を迎え振袖を着る人の中には、着物を初めて着る人も多いことと思います。着慣れないと不自由に感じるかもしれませんが、洋服のときとは異なるしぐさや気遣いが、日本人ならではのたたずまいの文化を感じさせてくれるよい機会です。食事の時や車の乗り降りなど、基本的な立ち居ふるまいをぜひ覚えておきましょう。

美しい立ち方

 足元については、写真撮影時など立っている時につま先を開かないよにしましょう。片方の足をやや後ろに下げ、つま先を重ねるようにすると楚々とした印象になります。
 上半身はあごを引き肩の力を抜きます。そして骨盤(おへその下辺り)を後ろに引いて腰を入れます。草履の構造上かかとではなく前重心で立ちますが、体が前へ傾かず後ろにも反り返らないようにしましょう。手は軽く前で合わせると優しい印象になります。

椅子に座るとき

 無造作に椅子に座ると着物の上前がずれて乱れた印象になります。着物の合わせ目の反対側にあたる左側から座ると乱れにくくなります。座るときは上前(着物の合わせの上側)を右手で押さえると開きにくくなります。帯結びがつぶれてしまうので、背もたれにはよりかからないようにしましょう。

写真撮影のポイント

 立ち姿のときは真正面より少し斜めに

写真提供:田村写真館

写真提供:田村写真館

写真提供:田村写真館

写真提供:田村写真館

体を向けると美しいシルエットになります。
 振袖は柄ゆきが華やかですので上前が袂で隠れないようにし、片手は下ろして袂の形がきれいに出るよう整えます。もう一方の手は帯の下あたりに軽く添えると楚々とした印象になります。

車に乗り降りするとき

 足から乗るのは上前がはだけてエレガントでないばかりか、ドアに触れて着物が汚れてしまいますのでやめましょう。
 まず車のドア内部や外側が泥などで汚れていないか注意し、着物が触れないよう腰から先にシートに滑り込みます。袂が長いので気を付けましょう。続いて足を揃えて車内に入れます。自家用車に乗る場合はあらかじめ洗車しておくとよいでしょう。車内では帯がつぶれないよう浅めに腰掛け、よりかからないようにします。
 降りるときは乗車時と逆の動作です。先に両足から降り、続いて体を車外に出します。

食事やお茶をいただくとき

 食事の際は食べこぼしや跳ねで着物や帯が汚れないよう、手ぬぐいやハンカチ、ナプキンを膝にかけるか衿にはさんでおくと安心です。ホテルではサービススタッフに申し出ればナプキンを追加で貸し出してくれます。
 お茶をいただくときには、日本茶は茶碗の底に左手を添えます。紅茶やコーヒーの場合は手を添えたりソーサーを持つ必要はありませんが、高さの低いテーブルの時はこぼした場合を考慮しソーサーを添えてもいいでしょう。


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